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難民を武器にする非人道的なハイブリッド攻撃

これまで国が抱える移民・難民問題についてボソッとしてきましたが、今回は難民を使って力でねじ伏せて大きな成果を出そうと考える国の常とう手段であるハイブリッド攻撃についてボソッとします。

ここ最近の国際ニュースで取り上げらえている”ハイブリッド攻撃”とは・・・

ハイブリッド戦争とは
政治的目的を達成するために、政治、経済、外交、サイバー攻撃、プロパガンダを含む情報・心理戦のほか、テロや犯罪行為など、軍事的脅迫とそれ以外のさまざまな手段、つまり非正規戦と正規戦を組み合わせた戦争の手法である。2014年のロシアによるクリミア併合で話題になったが、古代から使われたという説もあり、特に新しい手法ではない。ロシアでも、1990年代から議論されてきた。

ITmedia エグゼクティブセミナーリポート「ハイブリッド戦争は日本にとっても他人ごとではない」より
https://mag.executive.itmedia.co.jp/executive/articles/2210/18/news017.html


フィンランドで”ハイブリッド攻撃”警戒強まる


11月に入ってから中東・アフリカからロシアを経由してフィンランドに入国する移民・難民申請者が急増しているニュースをご紹介します。

NHK番組『国際報道2023』「ロシア国境で移民・難民急増 ”ハイブリッド攻撃”警戒強まる」(23/11/24放送分より)

フィンランドに入国する移民・難民申請者は9月・10月は数十人くらいだったのが、11月は700人を超えている状況となっていることから、フィンランドはこれを「ロシアが意図的に移民を集めてフィンランド側に送りつけている」として、国境の検問所を1か所を除き全て閉鎖すると公表しました。

フィンランド外相
「ロシアによる移民を利用した悪化した国境の状況を強く懸念している。さらにロシアがそうした人たちを組織的に国境まで移送している証拠もある。」

NHK番組『国際報道2023』「ロシア国境で移民・難民急増 ”ハイブリッド攻撃”警戒強まる」(23/11/24放送分より)

実はこれと同様の手口によって、2021年ベラルーシからポーランドへ移民が越境しようとして、ポーランド国境が混乱した問題が起きており、さらに、ロシアと国境を交えるエストニアでも移民・難民申請が急増している事態となっています。

これに対して、フィンランドもポーランドもエストニアも、非軍事的手段を用いて相手国の不安定化を狙う”ロシアによるハイブリッド攻撃”と非難しています。

いま極右躍進がヨーロッパで起きている背景には、各国が抱える移民・難民問題で大きく世論が割れていることが原因で起きています。つまり、移民・難民問題によってヨーロッパで分断が広がろうとしている、そこに目を付けたロシアが、移民・難民を武器としたハイブリッド攻撃をしているのならば、これは国際人道上、決して許されることができない事態になることでしょう。


”ハイブリッド攻撃”の実態


この画像をご覧下さい。

この画像が撮られた場所はロシア国内です。

車の屋根に自転車が積まれています。難民たちはこの自転車をこいでフィンランドの国境近くまで進みます。

準備万端な難民の姿が捉えられていますが、この手はずを整えたのは誰なのでしょうか?これを企てたのはロシア政府なのでしょう。フィンランドを不安定化させようとする目的により、このようなことをしたのでしょう。

画像ではフィンランド国境警備隊が難民たちをフィンランドの国境付近で制止させようとしています。

フィンランドとロシアの国境は1,300kmにもなります。

フィンランド政府はこのような局面を予測して、国境付近に高さ3mの壁を設置しています。


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