見出し画像

ニューヨーク市場のコメント 3/19

指標
フィラデルフィア連銀指数
前月の+36.7 から-12.7 に大幅低下。先行きは+45.4→+35.2、足元の新規受注は+33.6→-15.5、雇用は+9.8→+4.1 と大きく低下している。

新規失業保険中請
281K と 221K から大幅に悪化。NY 州は 75%に在宅勤務を要請するなど、街はここから更に閑散とな
り、失業保険申請件数は増加しそう。

FED
9 中銀とドル,スワップラインを設置。オーストラリア、ブラジル、デンマーク、韓国、メキシコ、ノルウェー。ニュージーランド、シンガポール、スウェーデンが含まれる。規模は$30bln~$60bln。

本日と明日の QE (米債買取金額)を増額($50bn→$75bn)。
MBS の買取も追加でアナウンス ($10bn)。

今週だけで既にコミットしているQE($500bn)の半分強を行う予定。近々追加の QE 発表の可能性もあ
るだろう。

White House
関係筋によると、$1.3T (143 兆円)相当の財政出動の為、25 年・50年債券の発行を検討している模様。FED の QE アナウンス→巨額財政出動→超長期債発行→FED の追加 QEアナウンス(これから?)という MMT理論そのもの。

海外中銀
英中銀、15bps の緊急利下げを行い0.1%へ、及び QE 発表。QE は£ 200bln 増額して、£645blnへ。
QE の対象は国債だけでなく社債も対象。中小企業向けのタームファンディングスキームの拡大も発表。

ECB は資産購入プログラムの拡充(PEPP) を発表。合計金額は、€200bn (€20bn×10 カ月) +€120bn
(先週発表) +€750bn (PEPP: パンデミック緊急購入プログラム)となっている。また、単一銘柄の上限ルール(33%) やキャビタルキー (各国の経済規模や出資比率に応じて買い入れを割り当てる)についても柔軟に対応する可能性がある。

社債,クレジット
昨日は起債がなかったが、本日は UPS($2.5-3.0bn)、ディズニー($3.0-3.5bn)の起債などもアナウンス。クレジットは本日も大幅にワイドニング。各国中銀が QE の対象に国債だけでなく、社債やCP などを含め、企業のクレジットを支援しようとしているが、焼け石に水の状態。確かに QE の規模は大きいものの、これまで積みあがった$10T (1100 兆円)の企業債務(米国のみ)はさらに巨大。

その他
イタリアの死者は中国を超え、3405人に増加、気になるのは致死率の高さで 9.5%程度と他国(2%~3%)よりも著しく高い。潜在的な感染者が本当はもっと多いのか、あるいはイタリア独自の問題(医療不足、高齢社会など)なのかは不明。最悪なのはウイルスが変異していた場合であろう。
このような状況を受けて、一部報道では米国は海外全域に対して渡航危険レベルを最高水準へと引き上げ、米国人については帰国を要請する可能性があるとのこと。

マーケットは特に原油のショートカバー(一時前日比+24%)が目立ち、つられて米株なども反発。短期金融市場は落ち着いているものの、フォワードはドル取り方向に吹っ飛んでおり、クレジットもワイドニングが続いている。為替のスポット市場もドル高が続いており、G10 では USDJPY が最もアウトパフォーム。株のショートカバーと DXY の上昇トレンドの組み合わせは、USDJPY が最もパフォームするという解釈か。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?