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FEDがジャンク債購入を発表!

ニューヨークは債券市場が半ドン、明日から欧米はイースター休暇というスケジュールながら、本日は多くのニュースが交錯した一日。

まず、市場を驚かせたのはFEDの融資支援策の詳細で、簡単にまとめると以下のような内容が打ち出されている。

a) 小企業向けのPPP(給与保証プログラム)
b) 地方債の購入($500bln)
c) 中小企業向け融資($600bln)
d) [重要] ジャンク債を含む社債購入など($850bln)
以上を軸に合計$2,300bln

社債購入については3月22日時点でBBB-/Baa3以上の格付けを持っていたことが条件だが、その後、格下げされていてもBB-/Ba3までは買い取ると表明している。

これまでクレジット市場ではFEDが買い取れる社債はあくまで投資適格(BBB-/Baa3以上)であり、またそこは揺るがないと考えられていたため、投資適格の中でも今後、格付けが下がる可能性が高い銘柄は投資家が敬遠していた。(これらの銘柄は、Falling angel 堕天使と呼ばれていた)

しかし、FEDは本日これらの銘柄の社債も買い取ると発表。(正確には3月22日時点で投資適格であったものについては、今後格下げされても買取ることを表明している。)

これにより、コロナウイルスのショックで格下げされた企業までもが中央銀行によって救われることになった。
これは多くのクレジット投資家にとっても大きなサプライズで、格付けの低い社債を扱うハイイールドETFは大きく上昇。クレジットスプレッドもタイトニングしている。

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一方、午後にはFEDが来週の米国債・モーゲージの買取方針を発表。
米国債は$50bln/dayから$30blnへ、モーゲージは$25blnから$15blnへの縮小となった。

買い入れ金額の縮小自体はサプライズではないものの、米国債を一気に$30blnに縮小したのはやや意外で、個人的にはせいぜい$40bln程度ではないかと考えていた。本日は半ドンだった為、米債市場はこの材料を消化しきれていない。

この発表を受けて米国株は高値から切り返しているが、とはいえ、前述のジャンク債までFEDが購入するという発表の方がよりインパクトのあった一日であった。

米国株はコロナ相場の半値戻しという重要なポイントに位置している。(以下はS&P500)

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決まったようで決まっていないOPEC+
日量1000万バレルの減産を決めたと発表したものの、G20の国に日量500万バレルの減産を求めるとも発表しており、OPEC+の減産合意が、G20の減産も条件になっているのかは不明。

何れにしても明日、サウジアラビアが招集した、G20が控えており、追加情報が得られるであろう。

また、ロシアとサウジアラビアは各々、日量850万バレルまで減産するとも話しており、このことから、ロシアとサウジがそれぞれ250万バレルの減産を行うものとみられる。(合計500万バレルを実施)

その上で、明日のG20で500万バレルの減産を促すということであろう。

ただ、本日のマーケットの値動きからは1000万バレルの減産は既に織り込み済みだったと思われ、加えてG20抜きにはその1000万バレルすら達成できない為、依然としてハードルが高いと感じている。


それにしてもジャンク債まで中央銀行が買い取るという、かつてない緩和が生み出す歪みは、最終的にどう着地するのだろうか。
誰にもわからないが、個人的な考えは以前、記事にまとめたので参考にしていただければと思う。


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