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中国にとって屈辱的なセレモニーとなったフェーズ1合意

米中フェーズ1合意
少し遅れて始まったフェーズ1合意の署名式典は、最初の1時間ほどを使って延々とトランプ大統領による自身の功績の自慢や、通商協議に関わった人への謝辞が続いた。
この間、中国の代表団(劉鶴副首相を含む)はトランプ大統領の後ろに立ちっぱなしの状態。目の前でトランプ大統領からこれまでの中国を、この合意で変えたと自慢し、それを聞かされる中国の代表団にとっては屈辱的であったのではとさえ感じる。

公表された合意文書は96ページにも上るものであったが、内容は事前に報道されていたものと大きな差は無い。為替条項については、通貨の切り下げ禁止や透明性の向上について書かれていたが、透明性の向上といっても以前から中国が公表しているデータを引き続き継続するだけという意味のない内容となった。

今後2年間で中国が増やす輸入品目については下記の通り。事前に Politico から報道されていた内容と比べるとやや農作物の金額が少なくなっており、現実的な内容となった印象を受ける

1.製品購入 初年度329 億ドル、2年目448億ドル、合計777 億ドル
2.農作物 初年度125億ドル、2年目195億ドル、合計320億ドル
3.エネルギー 初年度125億ドル、2年目 339億ドル、合計 524億ドル
4.サービス 初年度128 億ドル、2年目 251億ドル、合計 379 億ドル

以上を足し合わせて、2年で2000億ドルという内容である。ちなみに4のサービスは旅行や知財の使用料などが含まれるが、統計上この項目はサービス収支であるため、貿易収支の改善には繋がらない。

米株決算
GS
EPSは4.69 ドルと市場予想の5.52ドルを下回る結果。レベニューは996億ドルと予想856億ドルを上回ったが、マレーシア政府絡みの訴訟問題で 10.9 億ドルの費用を計上したことが響いた模様。昨日発表されたJPモルガン、Citi と同様に債券トレーディングが好調だった他、自己勘定で行っている株式投資からの利益が18.7億ドルに上るなど、本業の収益は好調だったと評価できる。ちなみに2011年に出資した Uber 株を4Qですべて売却していたとことも話題に。

ブラックロック
EPSは 8.34 ドルと市場予想の7.69ドルを上回る結果。レベニューも398億ドルと予想385 ドルを上回っている。運用資産額も7.43 氷ドルと予想の7.28 兆ドルを大きく上回る伸びとなっている。

BoA
EPSは0.4 ドルと市場予想の 0.69 ドルと予相を上回る結果。レベニューは 223億ドルでほぼ予想(224 億ドル)通りの結果。他の金融機関と同様に債券トレーディングが好調で、4Qのトレーディング収入は 28.6億ドルとなっている。一方、純金利収益は2.9%減少し121億ドルとなったが、こちらは予想通り。

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