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金利上昇と金価格の上昇が目立ったNY市場。

NYは先週木曜が半ドン(債券市場)、金曜がイースター休暇であったため、3.5日振りに市場参加者が戻って来たが、朝方は米金利が売られてスタート。

要因は二つあると思われ、一つは先週引け際に発表された、FEDの米債購入減額の話($50bln/day→$30bln/day)。※$bln=10億ドル

個人的には$40bln程度への減額だと思っていたため、ややサプライズだったが、マーケットはロングウィークエンドを前にこのニュースを消化しきれていなかった。

二つ目は起債市場が活況な点。企業が起債(社債を発行すること)を行うと債券市場の需給は供給過多になるため、金利が上昇しやすくなる。

今週は一週間で$30blnほどの供給があると予想されていたが、本日だけで$19.8blnの起債が行われている。

米国市場はVIXが引き続き高水準にあるが、為替(G10)のボラティリティは既に平時近くまで戻って来ている。

このままVIXも徐々に落ち着いてくると思われるが、その時の株の中心価格についてはトレーダーの間でも見方が割れる。

足元で注目されているテクニカルは200週間移動平均とフィボナッチが重なる2650付近であるが、これを下回る水準でレンジを形成するという見方と、これを上回る水準でレンジを形成するという見方が周りのトレーダーの間で拮抗している印象。

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2650を下回る派はEPSが落ち込むことを理由としており、上回る派はFEDの緩和と財政がPERを押し上げるとの見方。

コモディティ市場の注目はOPEC+とG20であったが、出て来たものは「協調」減産というよりも、原油価格の下落で単に生産調整をせざるを得なかった分を、事後承諾的に「協調減産」と呼んでいるに過ぎない印象。

今や原油市場の需給は、3000万バレル/day以上も広がっているとのリサーチもあり、何れにしても1500万バレルでは焼け石に水。

ただし、それで価格がどこまでも下がるか、というのは別問題で、1バレル20ドル以下ではロシアも生産調整を行わざるを得なくなる為、自然と各国の生産調整が起こり、徐々に価格は底固めすると見ている。

一方、金価格は上昇が止まらず、直近の高値を超えて来ている。

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これは日々のリスクオン・リスクオフといった短期的な要因以上に、世界中の国が財政と金融政策を矢継ぎ早に打った副作用だと考えている。(以下は以前に書いた私の考える金融緩和と財政出動の帰結)

実は米国の財政赤字は今回のコロナ対策によって、GDP対比で見ると、第一次世界大戦・第二次世界大戦並みに拡大するとの見方もある。
過去の戦後のインフレ(紙幣価値の希薄化)と同様に現代紙幣への信認が突きつけられていてもおかしくはないだろう。(以下チャートは野村NYの資料より)

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