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各国の緊急利下げも虚しく株は大幅安

このオーバーナイトだけで、FOMC, BOJ, 韓国、ニュージーランド、スリランカ、チェコ、エジプト、チリといった国が緊急利下げを行ったが、リスクアセットは持ち直すことなく売られている。

市場が疑心暗鬼になっている中、中央銀行が緊急利下げを行うことはむしろ負の効果を与えており、“緊急利下げをしなければいけない程、ひどい状況なのか(中央銀行は市場の知りえない情報を知っているのではないか)”とマーケットは解釈してしまっている。

米国もゼロ金利となり、大型 QEの発表も同時にしてしまったことで、金融政策の出尽くし感だけが残ってしまった。早すぎる金融政策も、遅すぎる金融政策も効果が無いと言われているが、今回は完全に早すぎたと言えよう。

週初に出てきた経済指標はショッキングなものが多く、中国の小売(▲20.5% vs 予想▲4.0%)、鉱工業生産 (▲13.5% vs 予想▲3.0%) , NY連銀指数(▲21.5 vs 予想+4.9) と軒並み予想を下振れている。

このような指標の下振れ方は稀であり、 今回のショックが経済に与える影響を誰も正確に計算できないことを意味する。特にまだ感染がリアルタイムで拡大中の欧米については、政府がどのような対応を取るかを含めて不透明なことが多く、影響の深度が図りえない。

G7は緊急の会議を行い、「出来ることは何でもやる」といった類の共同声明を発表したが、その後、カナダ、EUなどから事実上の国境封鎖の意見が出ており、結局のところ「協調」ではなく自国優先の「鎖国主義」になっていると感じる。

トランプ、ジョンソン、マクロンなど、先進国全体で「自国ファースト」の右傾化が進んだ歪が出ており、それが過度な対応策に走らせ、 必要以上に経済をシュリンクさせるリスクが高くなっている。

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