おばあちゃんの家

「すのこ」の上で料理しているおばあちゃんがいる。台所は暗く、シンクの上に長形の蛍光灯が点いているだけである。台所からリビングに向かうと右に急な階段、前にリビングがある。このリビングの奥は玄関である。玄関付近に学習机があった。扉を開けると、その扉が机になるものである。子どもながら「欲しい」と思った。おばあちゃんに捨てるならちょうだい!と言った。しかし、その机はいつの間にか無くなっていた。

台所の裏には真っ暗な通路があった。蛍光灯ではなく裸電球だった記憶がある。この通路を抜けると、別の玄関に出る。子どもながら不思議な家であった。トイレとお風呂は、この付近にあったような・・・。

2階は2つあった。1つは急な階段を上がると仏壇がある部屋がある。この部屋は非常に狭く、2人しか寝られなかった。その部屋はいとこしか寝られなかった。もう1つは台所に階段があり、そこを上った部屋である。この部屋は、学習机の主(おばさん)の部屋で、私は入ったことがなく、のぞいたこともない。

この家は、あまり行けなかった。私はこのような不思議な家で遊びたかったが、おそらく近付けなかった理由があるのだろう。いとこがいるときだけ、この家に行った。この家は、私の家から電車で3つめの駅で降りて、さらにバスに乗って行く。子どもながら結構遠い。特に子ども時代は、基本は歩きである。ここはおじいちゃんが生きているときに昔住んでいた家だと聞かされた。

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