ゲーム理論(数学)

人は損得勘定で物事を決定する、すなわち合理的な判断ができるというのが、古典的な経済学の発想です。この考え方に基づいて、複数主体が関わる意思決定の問題や行動の相互依存的状況を数学的なモデルで表した学問をゲーム理論といいます。

ゲーム理論の代表的なモデルとしてよく挙げられるのが「囚人のジレンマ」です。囚人のジレンマとは以下のようなことをいいます(文面はwikiを参考)。

ある犯罪に関する容疑で捕まった2人の囚人AとBが、意思疎通の出来ない別々の部屋で尋問を受けています。この2人が取る選択肢は「自白する」「黙秘する」のいずれかですが、自白の状況によって受ける刑罰の重さが異なります。

・1人が自白し、もう一方が黙秘する場合、自白した方は無罪、黙秘した方は懲役10年
・2人共黙秘する場合は 懲役2年
・2人共自白した場合は懲役5年

2人の囚人A・Bにとって、「互いに自白」して互いに5年の刑を受けるよりは「互いに黙秘」して互いに2年の刑を受ける方が得です。しかし、2人の囚人A・Bがそれぞれ自分の利益のみを追求している限り、「互いに黙秘」という結果ではなく「互いに自白」という結果となってしまいます。これがジレンマと言われる所以です。


コロナウイルスの感染拡大防止に伴い外出自粛要請が出ている中、不要不急にもも関わらず外出する方と、感染を防止するために外出しないことを選んだ方がいます。

これも一種の囚人のジレンマなのかもしれません。
外出する人が一人しか居なければ感染のリスクは少なく、さらに自分の欲求を満たすことができます。
一方で、全員にとって外出しないという判断をすることが、欲求不満になりますが感染抑止という観点では合理的です。しかし、多くの人が自分の利益のみを追求している限り、感染リスクを高める結果となってしまいます。

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