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広告クリエイティブを分析するときに見るべきKPI: インサイトドリブンな最適化への道

今こそ、広告クリエイティブに関する議論を進める時です。iOS 14.5以降ほとんどのマーケターは課題を感じていますが、ユーザーレベルのデータへの依存度を下げるという業界全体のトレンドは始まったばかりです。オンラインマーケティングの世界では、もはやユーザーレベルデータが中心ではなく、クリエイティブに関するデータがその代わりとなるでしょう。

クリエイティブを広告キャンペーン最適化の中心にすることで、ユーザープライバシーの問題からも解放されます。さらに、バラバラになっている最適化フローを一貫した一つのピースに整えることが可能です。入札システム?自動化されています。オーディエンスは?自動化されているか、プライバシー保護団体から逃れる方法を模索するかのどちらかです。しかし、広告のクリエイティブは、今でもあなたが形作り、展開するものであり、すぐになくなるということはありません。

広告クリエイティブは重要です。しかし、なぜ最適化に意味があると考えられるのでしょうか?それはデータです。膨大な量のデータ。何十万もの広告クリエイティブがあります。これらの画像、動画、プレイアブル広告のうち、5ドル以上の支出があり、アプリが1回以上ダウンロードされたものを分析したところ、まだまだ改善の余地があるという朗報が得られました。

本レポートではクリエイティブを最適化する際に注目すべきKPIと、そのKPIに関連して業界全体に渡るインサイトをまとめました。

IPM(1,000インプレッションあたりのインストール数)は、クリエイティブ分析において最も重要な指標となりつつあります。その理由は、ユーザプライバシー制限の影響を受けることなく、マーケティングファネルの上層から下層まで全体を捉えることができるからです。本レポートでの分析では、特に断りのない限り、IPMを選択しています。

KPI 1: クロスキャンペーン・パフォーマンス

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キャンペーン成功率を上げるために、クリエイティブ制作プロセス全体を見直す必要はありません。広告クリエイティブを軸に分析を行うだけで、パフォーマンスを向上させることができます。Bidalgoはクリエイティブ最適化ツールで業界をリードしていますが、私たちのプラットフォームでも、パフォーマンスが高いクリエイティブの内45.2%は廃棄されていました。パフォーマンスにプラスの影響を与えていたにもかかわらず、停止されていたのです。

同時に、効果の低いクリエイティブの内55.2%が4ヶ月以上配信されたままで放置されていました。常にキャンペーンの足を引っ張っているにもかかわらず、そのまま配信されていました。効果が低くてもテスト期間であれば受け入れられますが、130日間もテスト配信を行うマーケターはいないでしょう。

IPMは常に重要な指標です。そのクリエイティブがアプリをインストールしようとするユーザーをどれだけ惹きつける能力があるのかを示すからです。優れたクリエイティブは適切なユーザーをクリックさせる一方で、コンバージョンにつながらないユーザーからのクリックを避けることができます。

KPI 2:クリエイティブの効率性

全体の0.1%以下の予算しか配信されず、キャンペーンへの貢献度も低い不必要なクリエイティブが作られてしまうことは問題です。
時間とお金をかけて制作されたにもかかわらず、予算全体に占める配信割合は小さいのです。このようなクリエイティブはいくつあるでしょう?「もうたくさん」というほどです。

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4分の1以上のクリエイティブは全体の0.1%程度の予算しか配信していません! しかも予算が大きい広告主ほど、その効率は低くなります。月間1億円以上の予算を扱う大手のマーケターは、キャンペーン成功のためにより多くの種類のクリエイティブを求めますが、制作費には鈍感になりがちです。平均して39%もののクリエイティブが無駄になっていると知れば驚くでしょう。(下記図参照)

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また新たなインサイトを得るために、別の視点からクリエイティブのパフォーマンスを見てみましょう。

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予算の80%を占めるクリエイティブの割合(月間予算別)

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特定のクリエイティブに依存するリスクを考えてみましょう。小数のクリエイティブに予算が集中することでパフォーマンスの疲弊は避けられず、疲弊したクリエイティブの配信が続いてしまうとキャンペーン全体のパフォーマンス低下につながります。そして、予算が大きいほど、このリスクも大きいのです。

KPI 3: パフォーマンス分布

IPM指標をより深く掘り下げましょう。データを活用すると、どのようにクリエイティブライブラリーの全体的な健全性とその活用度を測定するのに役立つかを理解しましょう。

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理想的な状況では、すべてのクリエイティブが同程度の品質で、目標達成のために最大限の努力がなされています。この場合、大多数のクリエイティブはある程度同じIPMのはずです。確かに、平均を逸して効果が悪いものや良いものは常に存在しますが、その数は多くないでしょう。

ただし実際には異なります。ここでは、IPMのパフォーマンスを大まかに3つのグループに分け、それぞれに該当するクリエイティブの割合を調べました。不調なクリエイティブは、製品、チャネル、クリエイティブタイプの組み合わせにおいて、平均IPMの50%未満とします。平均的なパフォーマンスの範囲は、平均IPMの50~150%とします。ブレイクアウトヒットはトップクリエイティブで、平均IPMの150%以上とします。

これまで述べてきた理想のシナリオでは、「平均」グループが圧倒的に大きく、外れ値のクリエイティブができるだけ少ないことを想定していました。

パフォーマンスの低いクリエイティブを少なくしたいという理由は簡単に理解できますが、なぜブレイクアウェイヒットを求めてはいけないのでしょうか?それは、他のすべてのクリエイティブに悪い影響を与えるからです。IPMが平均よりもはるかに高いクリエイティブの割合が多いということは、平均値自体が十分に高くないことを意味します。

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画像、動画、HTML5のプレイアブル広告の違いにおいても同様の傾向が見られます。クリエイティブの分布は、ひとつのタイプに偏っているわけではありません。十分にデータに基づいたクリエイティブ制作を行うためには、すべてのメディアにおいてまだやるべきことがたくさんあります。

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KPI 4:クリエイティブの属性

クリエイティブ関連のプロセスを全面的に見直し、より効率的にすることは簡単ではありません。多くの場合、複数のチームが関与しており、KPI、優先順位、データへのアクセス方法も異なります。

パフォーマンスデータをメタデータと組み合わせることで、実用的で価値のあるインサイトを引き出すことができます。例えば、クリエイティブを属性別にまとめることでどの共通属性が各ターゲット層に効果的かを把握できます。その属性とは、サイズやフォーマット、さらにはそのクリエイティブを制作したデザイナーなどです。その中には、あるクリエイティブが他より優れているという要因を突き止めるために、より効率的なものもあるはずです。

正しい方向性を示すために、私たちが目にする業界全体のメタデータに関するインサイトをいくつか紹介します。これらは、ベストプラクティスとして扱うこともできますし、個別に最適化するための足がかりにすることもできます。

最も人気のある動画広告の秒数トップ10におけるブレイクアウトヒットの割合。

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人気のサイズ

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人気のアスペクト比

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プラットフォーム別のクリエイティブタイプ

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これらのインサイトは、私たちが日々提供しようとしているデータのほんの一部に過ぎません。Bidalgoが開発したツールやサービスは、このインサイト取得を容易にし、マーケティングチームがより早く目標に到達できるよう支援します。
業界水準に関するインサイトは、パフォーマンス最適化のプロセスを大きく進めることができますが、さらに一歩先へ飛躍するためには、貴社のデータを使って、貴社の目標に合わせて最適化する必要があります。私たちは喜んでそのお手伝いをいたします。ぜひお話しましょう。

Bidalgoについて

Bidalgoはアプリマーケティングにおけるユーザー獲得とコスト最適化を支援するマーケティングプラットフォームであり、広告クリエイティブからインサイトを取得し、強力なクリエイティブ分析、マーケターによる意思決定とキャンペーン管理をサポートしています。彼らのプラットフォームは、利用可能なデータを全て活用し、クロスチャネル広告戦略から広告クリエイティブを隅々まで解析し、包括的なマーケティングの全体像を描くことを支援しています。BidalgoはFacebook、Instagram、Google、Apple Search Ads、TikTok、Snapchat、Pinterestや他の主要なアドネットワークの公式マーケティングパートナーです。Bidalgoは世界のトップアプリ企業に活用されており、年間1000億円以上の広告予算を運用しています。詳細についてはこちらのウェブサイトをご覧ください。https://www.bidalgo.com

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