空気を読むのは日本人だけではない

「空気を読む」というのは、良くも悪くも日本社会で大事にされている。
「KY」なんて造語ができるくらいである。

さて、この「空気を読む」習慣。
日本人ならでは、と考えてはいないだろうか。
実は、英語でも存在するのだ。

「Read the room.」(りー だ るーm)(「む」ほど伸ばさないm)

直訳すると「部屋を読む」だが、意訳は「空気を読む」だ。
ただし、日本語のように、「おまえ、空気読めよー」という風には使わない。
スピーチをする人に対して、「Read the room. Think of what your audience wants to hear」「空気を読んで、観客が何を聞きたいかを考えろ」という風に使ったりすることが多い。
もしくは、子供に「Read the room. What are you suppose to do now?」「空気を読んで。今は、何をする時間?」という風にも時々使ったりするが、実際にこう言う言い方をする教師に会ったことはない。(小説で読んだことならあるので、ただ古い表現なのか、今の教育業界ではよくないとされているのかは正直わからない)

「おまえ、空気読めよー」という思春期の男の子のようなセリフは、また別にある。

「You're such a party crasher.」(よー さっちゃ ぱーてぃ くらぁっしゃ)

直訳すると「パーティーを壊すやつだな」であるが、意訳すると「おまえKYだな」「ノリ悪いやつだな」である。
アメリカのドラマで聞いて、パーティーしてないのにな、なんて思ったことがあるかもしれない。

「空気を読む」のは、決して日本人だけではない。

ただ、アメリカでは幼い頃から自分の考えをまとめ、人に伝える教育を受けるのである。
疑問に思うときは、聞くべきである、とも教育される。
そのため、日本の教育を受けたものから見たら、空気を読んでいないように見えることがある。
しかし、空気が読めないのではなく、空気を読む必要のない場面だと判断した可能性もあるのだ。
これは、能力の違いではなく、文化の違いなのだ。

どちらにも良いところがあり、どちらにも悪いところがある。
なので「外国人は空気が読めない」と言う人がいたときには「文化が違うから」と理解を示して頂きたい。


No one can read the room correctly all the time because we all are individuals who think differently. 

いつでも正しく空気を読める人などいない。何故ならば、我々は皆別個の人間であり、考え方が違うのである。


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