ディクテーションはネイティブでも難しい

英語学習法として、ディクテーションを勧めている人も多い。

ディクテーションというのは、聞き取った文章をそのまま書き記すことである。

個人的にTEDICTを勧めているくらいなので、いい学習方法だと思っていることはフォローしてくださっている皆さんはおわかりだろう。(英語が話せるようになる勉強法② )しかし、時折「むずかしい!もう無理!」という感想を聞くことがある。
そんな方に理解してほしいことがある。

ディクテーションはネイティブでも難しいのだ。

聞いた文をその通り書くという作業は難しいのである。
試しに日本語でやってみてほしい。
番組を録画(もしくは録音)して、一つの話題の部分だけ、ディクテーションしてみてほしい。
そして、録画を再生しながら、書きとったものを読む。
内容としてあっていても、一言一句間違えずに書きれている人はなかなか少ないだろう。

試すのが面倒だという方には、どういうことが起きるか説明しよう。

映像では「取り調べに対し、「脅して金を奪おうと思った」などと容疑を認めている。女性は大けがをしたが、命に別状はない。」と言っている。
しかし、自身のメモには「取り調べに対し「脅して金を取ろうと思った」と容疑を認めている。女性はケガを負ったが、命に別状はない」とメモをしていたとする。
内容ははっきりと理解できているし、ほとんど間違えはない。
しかし、TEDICT等のディクテーションの教材では、小さな間違いも大きな間違いも同じである。

繰り返すが、ディクテーションはネイティブにも難しいのである。
だから、学び始めたばかりの方は全然書けないと悲観することはないし、ある程度やっている方も全然できないと嘆く必要はないのである。
少しずつ聞き取れる単語が増えたり、内容が正しく理解できるようになっていけば、すべてはっきりと聞き取れなくてもいいのである。
なので、始めたての方は「主語と動詞だけは聞き取る」「5語は聞き取る」など小さな目標から始めるといいだろう。

逆に言うと、英語を「話す」ことができるようになりたい人は、ディクテーションの際に、I was surprised. を She surprised me.と書いていたりしたら問題ないと思ってもよい。
要点、内容が間違っていなければ、話すことができるのである。

英語を「話す」ためには、気持ちにゆとりを持ちながら、継続するのが一番の近道である。


Don't give up just because you can't dictate word for word. 

一言一句書きとれないからと言ってあきらめないで。

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