見出し画像

インストラクション・ポエム/かほさんから香菜さんへ、奈々子さんから熊さんへ(BICミーティングからの抜粋)

インストラクション・ポエムのアクティビティについて。
パブリックな場所でアクションを起こすことに最初、誰もが葛藤や戸惑いがあると思います。そのプロセスの中での変化や、自ずと浮かび上がるアイディティーの輪郭などの体験談です。ルーティン化された日常に一石を投じる試みになるのでは。

画像1

香菜−私今週、かほちゃんからもらったタスクをやってみたんですけど。話していいですか?ちょっと動画も撮りながらやったんですけど、結構難しくてまだ編集していなくて、ちょっとどうだったかっていう感想だけでもお話しできたらと思うんですけど。
グレープフルーツ(オノ・ヨーコさんの「グレープ・フルーツ・ジュース」)のような、かほちゃんバージョンのタスクをいただきまして、そのタスクを読みます。「子猫に尋ねなさい。行くべき場所を、あなたの髪の毛が少しずつ空気中に分解されていくのを感じながら、そこへ向かいなさい。行き着いた場所から盲目の蜥蜴を連れ帰りなさい。帰ったら子猫に尋ねなさい。この蜥蜴と子猫が最初に出会ったのはいつだったかと」
私、猫を飼っていて、子猫じゃないんですけど、子猫と想定して、まず動画を簡単に撮りました。(子猫に尋ねている動画を見せる)こんな感じで、尋ねるところから始めて、猫にどこに行けばいいのか聞いたんですけど…、いやー、なんか全然難しいんだよね〜(笑)私、元々猫と一緒に住んでいなくて、去年から一緒に住み始めたんだけど、猫と打ち解けてないところもあって、猫の気持ちを知ろうというところから始まり、猫に尋ねつづけ一日。行くべき場所は“中心地だ”と思って、私、大宮に住んでいるんですけど、大宮にソニックシティという大きいホールがあって、そこの下にめちゃめちゃ大きい広場があるんですけど、そこに行きました。そこから盲目の蜥蜴を探そうと思い、今でも探し続けているんだよね(笑)めちゃめちゃ今ファンタジーになっている感じ(笑)それで、“盲目の蜥蜴”を探そうと。そもそも蜥蜴っていないじゃん。“盲目の蜥蜴”とは一体なんなのか、なぜ探すのか、そもそも自分自身は何を探しているのか、その必死さだったり、そういった部分を動画におさめられたら…と思って。あとね、「髪の毛が空気中に分解するのを感じながら」っていうタスクのところを、昨日、風が気持ちよかったのもあって、それが身体のムーブになっていって、ちょっと動いてみたりしながら、いろいろ動画を撮ってみたんですけど。また、完成したら見せます。
かほ−ありがとうございます。
香菜−でも、まだもうちょっと深めたいな〜と思っていて。この1週間は生活にファンタジーが入ったような感覚に陥り、過ごしていました。
奈々子−猫と話していて、行くべき場所はここだって思ったのは、なにかアンテナを見つけたりしたんですか?
香菜−猫って、話さないので、何か自分自身を見られているような感覚になって、うちの猫にも聞いたんだけど、通りすがりの猫にも聞いてみたりしたんですね。なんか、「中心地に行って踊って来い」っていう感じになって(笑)、そういう思いに駆られたんです!タスクの言葉に関してすごく思ったのは、“こうしなさい、こうしなさい”っていうのはあるんですけれども、それって指令という感じにも受け取りそうですが、それが全然嫌じゃなくて。順番に言葉の通りに動いてみて、そこから自分自身が感じる事、発する事が出てくる。そしてまた次の言葉があることによって、次の場所へいける、という感覚が面白くて。思ってもいない柵に向かってジャンプしたりとか。(笑)周りは私のことを変な人だと思っているんだろうなと。アクティブな動きもしてみましたが、面白かったです。
かほ−香菜ちゃんの家と中心部は、どれくらい離れているんですか?
香菜−歩いて25分くらい。ソニックシティ。そこ地下みたいなところがあって、ダムじゃないんですけど。そこで若いストリートダンサー達がめちゃめちゃ練習しているんです。そこを遠くから見たら気持ちいい場所で、そこに来ちゃった。
のん−香菜ちゃんに送られたなっていう感じだね。
香菜−もっと深めたいので深めます。
熊谷−YouTubeに(香菜さんの)ジャスチャーのタスク動画がアップされてたじゃないですか。(「【タスク】人が集まっている場所をさがす。そこに、たたずみ、ジェスチャーで参加する」)あれはあの関連でやっていたと思うんですけど。
香菜−2時間くらい前にアップしたんです。結構前の5月の13日くらいにやったタスクで。そのタスクは奈々子ちゃんから、もらったタスクで。「人が集まる場所を見つけて佇んで、その集まった場所にジェスチャーで参加する」っていうタスクをやったんです。編集がすごく難しくて、とりあえず仮でアップしたんです。何か演劇チックな…。
熊谷−対象物があって、それを見ているっていうところがいいなと思って。見ているだけでも絵になる。3人の男の子がいい感じで、それを見ている。それだけでも素敵だなっていう気がする。
香菜−それはいい意見、ありかとうございます。
熊谷−想像力がかき立てられた。それはジェスチャーではないんですけど、特に何かしなくても関わっているというか、夕暮れもすごくよかったな〜っていう感じでした。
奈々子−確かに何か、めいさんの動画も見てて思ったんですけど。参加するって言ったときに、何がその身体の中で、どういう言葉が渦巻いているんだろうっていう、そういう想像力をかき立てられるような参加の仕方。そういう意味で何もしないっていうジェスチャーを、香菜さんなりに、どういう参加みたいっていうのを感じていたっていうのを。そういうのが見えたら面白い。
香菜−そうですね、すごい複雑な心境で黙って見ていて入っていったので。そういう身体の感じを見せられたらいいなって思っていました。とてもいい意見嬉しい。なんか、直接人と関わっていなんだけど、すごく人と関わっている感触がすごく強くて。コロナ中、ずっと家にいて、近くにしかいないけれど。めちゃくちゃ、こんなに毛穴を開いて、人だったり街だったりにアタックしているという、すごい感覚なんです!その関係性とか面白いですね。ましてや家の中で、一人であれこれ、あれこれするタスクの動画に関しては、自分の記憶を呼び起こすような感じで、逆に外で行うタスクは、今、目の前の知らない人たちとの関係性が新たに生まれるという。面白かったな〜。そして、かほちゃんからもらったタスクはファンタジー。またこれまでと違う感じで、すごい発見をもっとできそうです。
タスクもらうっていいですね。温かい気持ちになる。
奈々子−渡すのも恥ずかしいというか。私が電車の中で想像して感じていたようなことを、同じく電車に乗っているだろうと思っている、熊谷さんに送ったんですけど。送ってからすごく恥ずかしいと思って。何か自分の個人的なことを。しかも最初は二人のラインで送ったんですけど、後から全員のラインで送ったときに、それはそれで公開告白をしているみたい(笑)な気持ちに。面白いなって思いました。
熊谷−逆に、どんなタスクっていうか、グレープフルーツジュース系のタスクだったっていうのも面白い。
奈々子−そうですね。
熊谷−じゃー僕、いいですか。一応、動画は撮ってみたんですけど、どう撮るかわからなかった。
ここで読みますと「電車やバスに乗った時のタスク」「足を踏み入れたときから、そこは水のなかです。あなたは揺蕩います。3つめの駅で水は一気にドアから流れ出し、あなたは久しぶりに肺から息を吸います。自分の中だけに水がのこり、皮膚は薄くとうめいになりました。降りる駅まで、からだのなかで水をありこちに移動させて、水遊びします。逃がさないように、慎重に。外にでて、歩いていると、からだの色んな場所からその水は抜けていきます。最後の一滴が消え去るときは、立ち止まってそれをみとどけ、ペリカンが空へと消えたと、パスワードを口にします。寝る前に上から落ちてくる雫をうけとってください」
っというところまでがグレープフルーツジュースなんですけど。ただ、まだ寝る前ではないので、「寝る前」のあとはまだやっていないです。
さっきの香菜さんのと被るんだと思うんですけど、このタスクのいいところは、例えば移動していて普通だったら、みんな寝てたりとかスマホ見たりとかしている中で、ただ自分のタスクに集中することが如何に特異かっていうことがすごく自分の中で面白いな〜と思って。情報をシャットダウンしつつ、実は情報は自分中にあったりとか、意識していない人たちから情報を得ているとか、何か見方が逆転するようなところがすごく面白いな〜と思うし、それをどうやって、そういう感覚なんだよっていうのをカメラで捉えることができるかっていうのが課題ではある。動画の中に言葉が多いのも、どうかなっていうところもあって、その辺どう捉えられるかっていうところまでいくといいかなって。あと、集団でやれたら面白いな〜と思ったんですね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?