ミニ国家の魅力

 以前の記事でマルタ騎士団を取り上げた時にも書きましたが、ミニ国家が好きです。かつて存在した自治都市とか自由都市とかも好きです。周辺国などのどのような思惑があって、独立を許されているのかというのが知りたくてワクワクします。逆に自治区とかだと、独立できない事情や具体的な民族紛争などが想像されてワクワクしにくいです。
 2015年に日本はニュージーランドの自治領扱いだったニウエを独立国として承認しました。この際、ニウエは防衛と外交をニュージーランドに委託しているが、外国と独自の外交関係を結ぶことも認められているとニュース記事で解説されていて、あまりのユルさに驚いた記憶があります。そんなんでいいのかー、と。

 それらの国々が実際どういう国か調べると、国際紛争解決のための妥協の産物で思ったほどロマンのあるものではなかったり、逆に孤立した島国で他所と同じ国になれるほど交流がなくて自給自足、主な現金収入は切手の発行とかだったりもするのですが。
 ルクセンブルクやモナコなど欧州のミニ国家はリッチですね。リヒテンシュタインもこのカテゴリでしょうか。バチカン、サンマリノ、アンドラと並べると、同じ欧州のミニ国家でも、伝統的なイメージが強くなります。
 シンガポールは都市国家ではあっても、ミニ国家というには人口が多いでしょうか。繫栄した港町ですので、最初から単独で独立できたようにも思いますが、実は隣国マレーシアとの間に複雑な歴史があったりします。東南アジアのミニ国家だと、他にブルネイがありますがこちらも産油国でリッチなイメージです。
 西アジアのミニ国家バーレーンとカタール。産油国のイメージが強いですが、古くからの重要な港町でもあります。なんとメソポタミア文明とインダス文明の間の海上交易の中継地であったとか。
 重要な港町と言えばジプチもそうですね。旧称はフランス領ソマリランドなのでソマリアの一部と認識されていた筈ですが、ソマリアと併合することはなく小規模国家として存続しています。紅海の重要な港町で、現在も航路を脅かす海賊から自国の船舶を守るため、海上自衛隊を含む各国の海軍が基地を置いています。
 メキシコ以南のラテンアメリカはブラジル以外はほとんどスペインの植民地だったためスペイン語を公用語にしている国が多いのですが、バハマからトリニダード・トバゴまでの島国の一部と、ベリーズやガイアナなど一部の大陸の国には、英語、フランス語、オランダ語を公用語とする国々が入り混じっています。これらの国の中には、新大陸の富をスペイン本国へ運ぶ船を狙う海賊の基地がルーツとなっている国々があります。

 ミニ国家というには少々大きい国まで含めて紹介してきましたが、このような国際的に認められたミニ国家以外に、1か国も国家として承認してくれていない「自称国家」というものも世界にはあります。シーランド公国が有名ですが、他にも多数の自称国家が存在します。農場主が独立を宣言して税金の支払いを拒否しているなんて話まであります。
 これら自称国家にも本物の国家と同じ様に、色々個性的な歴史があるようです。

 参考として歴ログさんの記事を紹介しておきます。

 冒頭に出てきた「世界最小国家」あるいは「領土無き国家」のマルタ騎士団について書いた記事はこちら。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。本業のサイトもご覧いただければ幸いです。


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