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温まらない足先



足が冷たい。
布団の中はあったかいはずなのに。
かれこれ数十分は温めているのに。
ずーっと冷たい。
おしりの下に足を潜り込ませてみたり、左足と右足で温め合わせようとしてみたり。

ダメ。全然ダメ。なんならおしりの下辺りから全身に冷たさがまわってきた。最悪だ。

あー、冷たい。寒い。こんな時に誰かと温め合えたらいいのに。

暖房もつかないこの部屋で私はひとりで凍えてる。
この布団はひとりじゃ温まらないみたい。
誰でもいいから、冷たさを取り除きに来て欲しい。
手を伸ばしてLINEを開くけど、きっと誰を呼んでもしっくり来ない。
分かってる。
あけおめザオラルに返信しそうになった。
なんてこった。
寒さを寂しさと間違えるところだった。
危ない。
この人はイケメンだった気がする。
違うな、あの人は唇とホクロがセクシーでまちがいを犯すのにはぴったりだっただけ。
あー、やだやだ。こんなこと考えてもホクロは温めてなんてくれない。
いや、でも唇は温まるかな、、、
あー、気持ち悪い。ちょっとエロいイイオンナになった気にさせられたキスを思い出してしまった。
どうして人間はいいムードになり、視線が絡むとキスをしてしまうんだろう。
DNAに刻まれているのかな。考える前にしてるよな。

…やめよ。思い出すのも考えるのも。
とにかく、私は今凍えそう。


心も体も、、、?

いや、私の心は温まっているし、温める方法を知っている。

もこもこの靴下を履いても、温まらない足先が問題。

もう一度手を伸ばす。


LINEを開く前にAmazonを開いて湯たんぽを注文するんだった。




別に私はさみしくなんてない。

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