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▼ 家族葬でお見送り

昨晩7時に亡くなったモル、とれさんは冷蔵庫の中…いかにも寒かろうとは思うものの長引くようならさらに極寒の冷凍庫へ引っ越しになる。
御存命のころは自作床暖スペースで生活していた寒いの苦手な子がこれではあんまりだ、昼過ぎに起きてきた嫁が近場の葬儀屋に相談した。

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「今日できますか?」絶句した、無茶苦茶だ、昼過ぎまで寝こいていたのに今日葬儀をしろと言う、4時から空いてるので5時から予約した…まさかの神対応に唖然茫然である、慌てて準備開始。
札幌どうぶつ葬社さん
https://www.dobutsusosya.com/

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「普段食べているものを」と言われた、それはイコール畑の雑草になるので相変わらずの雑草採取、旅立つにあたって草食動物は道中食事が欠かせないだろうから多めにしておいた。
お花といわれたが彼は食べられない植物=興味ゼロなので、シロツメクサで花少なめ冠を作った。これは食べられるので大好物のほうの奴。

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長毛種のモルでポッチャリ体形だったので1サイズ大きい骨壺と言われたが小さい御骨になって出てきて一番コンパクトになって帰宅した。
どれもこれも太さ1ミリ前後、綺麗に切って整えた爪や「ちゃんと噛め」と日々言い争っていた歯がそのままの形で残っていたので骨壺に丁寧に入れてあげたいが病気で手が動かないので拾えない。嫁にほとんどお願いした。
24時間以内に、なんとも立派なお仏壇になられた。

そして、翌日。
起きてくると嫁の実家・盛岡から畑でとれたトウモロコシがたくさん届いていた。「おっ?今日はわんこそば祭りだな!」と思ったが本人この有り様で折角ひげ付きで送ってもらったのに食べられない。
お仏壇にお供えしておいたそうだ。

ただ草食動物はとにかく食うのだ。
トイレに座っていたらテンション高めに「ぴー!」と追加オーダーが入って「えぇ?!」と仰天した、いや待て一旦落ち着け葬儀は済んだ。
「だいぶヤラレてんだなぁ俺」と思い直してトイレから出てきたら、包丁を持ったまま嫁が茫然自失で立っていた。お荷物に同梱されていたエンドウを茹でる準備をしていて嫁も「聞いた」という。

つまりこりゃ錯覚、自宅周辺動植物の宝庫、聞き間違いだ。
と…思ったら違った。

嫁は宇宙船ぽいフヨフヨ声だったと言い出した、俺にはピーで嫁フヨフヨは彼の毎度のパターンで、どうやら「わんこそば祭り!」と思ったのに1度で終わったので続きを待っているのか誰もいない部屋から妙に落ち着きのない音がカサコソしてくる。
「ヒゲか葉っぱは?」と聞くと「捨てた」、「なんで?!」と思わず言ったが通常一緒に茹でて捨てるトウモコロシのヒゲや葉っぱばかり食べる偏食家はあんまりいない、当たり前だった。
雑草を採取して「これで何卒」とお供えした、これ…なにしてんだ?!

ど う も 我 が 家 に は タ チ の 悪 い 動 物 霊 が 居 座 っ て い る 。

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