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銭湯でビブリオバトルしました!|ビブラボ#3開催レポ

こんにちは!チームビブラボです。
ビブラボでは本が生み出すつながりを楽しみ尽くす企画を、京都市伏見区を中心に定期開催します。

今回、ビブラボでは初めて京都市立辰巳浴場さんとコラボして、銭湯見学&ビブリオバトルを開催しました!

この記事ではその模様をお届けします!


銭湯で企画をしたい!

京都市立辰巳浴場

そもそも今回のイベントは、最近サウナと銭湯の魅力にハマっている筆者(益井)が、
「何か銭湯と絡んだ企画をしてみたい!」
と駄々をこねたのがきっかけでした。

すると営業時間前にもかかわらず、辰巳浴場さんに快く会場を提供いただき、しかも案内や解説まで引き受けてくださることに。
本当にありがとうございます!
駄々をこねてよかった!

銭湯の裏側ってどうなってるの?

未知の世界へ、いざ出発〜!

銭湯をよく利用する人でも、その銭湯がどのようにお湯を沸かしているかや、どのような日々の管理をしているかを知っている方は少ないのではないでしょうか。

今日は思う存分見て聞いちゃうぞー!

巨大な換気扇の下で、ボイラー(湯沸かし器)の説明をお聞きします。

さっそくふだんは入れない、浴場の奥にあるボイラー室へ。
様々な太さのパイプが複雑に配管されていて、見るだけでもわくわくしてしまいます。

驚いたのは、筆者は辰巳浴場を使うたびに
「浴槽のお湯熱いな〜こだわってるんだな〜〜」
と思ってたんですが、これは実はリアルタイムで温度の管理をするのが難しいためで、番台さんに言えばふつうに下げてくれるそうです。

「慣れた人は、身体でお湯を撹拌して、温度を下げておられますよ☺️」

な、なるほど〜〜
次はそうしようっと!

奥の2つのタンクがろ過器。男湯用と女湯用に分かれています。

京都市水道を都市ガスで温め、お湯を循環させて使っている辰巳浴場。
「火夫」と呼ばれるスタッフが、毎日ろ過器の洗浄や4箇所ある網の交換を行っているんだとか。

そ、それにしてもボイラー室、暑い…!!

脱衣所涼しい〜😊

エアコンの効いた脱衣所に移動して、さらに突っ込んだお話をお聞きします。

  • 実は男湯よりも女湯の脱衣所の方が少し広く、浴場の蛇口の数も多い。これはおそらく当時女性が子どもの世話をしながら入るケースを想定したから。でも最近は男性が子ども連れで入ることもよくある。

  • 市民の保護衛生・生活環境の改善向上を図って1960年代に13ヶ所設置された京都市立浴場だが、現在稼働しているのは辰巳浴場を含め7ヶ所。

  • 地域の方が利用することがほとんどだが、最近は銭湯ブームやSNS、銭湯トレカなどの影響で、遠くから利用しに来てくれる方も増えてきている。

火夫さんと番台さんとの役割分担や、市立ならではの事情やお悩みなど、他にも興味深いお話だらけでした!

ビブリオバトル、浴場でするか?脱衣所でするか?

毎日湯を張り替えていて、意外と乾いている浴槽の中

いよいよ本の紹介ゲーム、ビブリオバトル!
今回は銭湯にちなみ「風呂」をテーマに本を持ってきていただいています。

参考:知的書評合戦ビブリオバトル公式サイト

ここで、大きな選択を迫られることになりました。
脱衣所にはエアコンがありますが、浴場にはありません。
脱衣所との扉を開けておけば少しは涼しい空気が入ってくるものの、8月の京都の浴室はそれはもう暑いです。

ビブリオバトルを、脱衣所でするべきか、浴場内でするべきか?

えーい、浴場だ!!!!!!

もちろん脱衣所でも充分銭湯の雰囲気は味わえるんですが、筆者が銭湯で一番好きな場所…やはりそれは浴場…!

僕は銭湯の空気に最も浸れる浴場でビブリオバトルをしたいんだ…!!

偉そうに水分補給の大切さを説く筆者。ちなみに会場は女湯でした🫣

しかし場所がどこであれ、大事なのはどんな本が紹介されるのかです。
さてさて…?

1冊目:『城崎裁判』(万城目学/本と温泉)

城崎温泉に行かないと手に入れることができないお宝本!タオル地のブックカバーも素敵です。

2冊目:『ローマ貴族 9つの習慣』(マルクス・シドニウス・ファルクス,ジェリ・トナー /太田出版)

ローマ貴族が説く栄光の秘訣!某有名な自己啓発本を彷彿とさせるタイトルです。

3冊目:『テルマエ・ロマエ』(ヤマザキマリ/KADOKAWA)

あえて王道(?)のローマ人×銭湯のマンガがここで登場。
奇しくも2冊目のカバーイラストと著者が一致しました。

4冊目:『銭湯図解』(塩谷歩波/中央公論新社)

娘さんが参加されたワークショップをきっかけに、初めてビブリオバトルで発表されたとのこと。
著者が実際に訪れ測量した銭湯内部がイラストで図解されています!

5冊目:『入浴の解体新書―浮世風呂文化のストラクチャー』(松平誠/小学館)

日本人の風呂好きな風習の正体に迫る、平成の「浮世風呂」本。
「よかったら回して見てみてください」と手渡した本は、発表時間が終わってもバトラーさんのもとに返って来ませんでした。

6冊目:『随筆 本が崩れる』(草森紳一/文藝春秋)

マンションの部屋を埋める数万冊の本が崩れてきて、浴室から出られなくなったなど、本が崩れることにまつわる著者のエピソードが数多く収録されたエッセイ本。
バトラーさんの中には他人事ではない方もいるのでは?

チャンプ本は…!?

バトラーさんや本と言うより、むしろ浴場の暑さとの戦いの様相を呈してしまったビブリオバトルでしたが、お風呂を愛する人が時代や場所を超えてたくさん存在していることが、選書と紹介からひしひし伝わってきました。

そんな中「一番読みたくなった本」への投票により、チャンプ本に選ばれたのは…?

投票中…

『銭湯図解』(塩谷歩波/中央公論新社)でした!
おめでとうございますー!!!

初めてのバトラーでチャンプ本!娘さんにすぐご報告されたそうです。

まとめ

今回の結果は以下の通りでした。

  1. 『城崎裁判』(万城目学/本と温泉)

  2. 『ローマ貴族 9つの習慣』(マルクス・シドニウス・ファルクス,ジェリ・トナー /太田出版)

  3. 『テルマエ・ロマエ』(ヤマザキマリ/KADOKAWA)

  4. チャンプ本☆『銭湯図解』(塩谷歩波/中央公論新社)

  5. 『入浴の解体新書―浮世風呂文化のストラクチャー』(松平誠/小学館)

  6. 『随筆 本が崩れる』(草森紳一/文藝春秋)

初めて銭湯とコラボして行ったビブリオバトルでしたが、ベテランバトラーさんから初めて観戦に来られた方、銭湯ファンの方まで、たくさんの方にお越しいただけました!

ご参加いただいた方には、ビブラボより辰巳浴場の入浴券と、辰巳浴場よりバスボムがプレゼントされました。

銭湯で楽しい企画をしたい!という筆者の思いも、参加者の方々のおかげで予想を上回って叶えることができました。
参加者の皆さま、辰巳浴場の皆さま、本当にありがとうございました!!

ビブラボでは、今後もビブリオバトルを不定期に開催予定です!
ぜひまた遊びにいらしてください。

次回のビブラボは、9/9(土)に「カタン」を行います!
ぜひお気軽にお越しください〜!

おまけの写真たち

給水器をありがたがるビブラボスタッフ
シュールな光景…!
打ち上げでは夜のビブリオバトルが開催!
筆者の紹介した本がチャンプ本に!わあい!

ビブラボ番外編:夜のビブリオバトル

  1. 『湯を沸かすほどの熱い愛』(中野量太/文藝春秋)

  2. 『獣の奏者』(上橋菜穂子/講談社)

  3. チャンプ本☆『湯遊ワンダーランド』(まんしゅう きつこ/扶桑社)

  4. 『入浴の女王』(杉浦日向子/講談社)

追記(いただいたご反響)

今回のイベントやこの記事について、嬉しいことに辰巳浴場さまや本の著者の方々にもご反応いただいたので、一部ご紹介します!

辰巳浴場さま

他にもたくさん実況&投稿いただいています。ぜひフォローを!

塩谷 歩波さま(『銭湯図解』著者)

北 綾子さま(『ローマ貴族 9つの習慣』訳者)

見つけて取り上げてくださり、本当にありがとうございます😭

最後までお読みいただきありがとうございました!

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