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未熟|2024-05-24

今回は、うでパスタが書く。

今年は資格試験を受けてみようと思う、というノートを書いた。

そこで先日、始まったばかりのCBT(Computer-Based Test)を受けに会場へ赴き、FP3級の試験を受けて、合格点をクリアした。合格に向けたモチベーション・アップのため、合格祝いとして「一升瓶冷蔵庫(セラー)」を買おうと決めていたのだが、誤ってその場で発注してしまいすでに届いていたのでモチベーション・アップというよりは強いプレッシャーになって非常に辛かった。

この商品は結構すぐに売り切れてしまうらしくAmazonでも在庫のあることがあまりない。いまも探したら同じものは出てこないのだが、だいたいこういう感じのものだ。

若いひとにはもうおなじみなのかもしれないが、CBTによる試験はいまも徐々に対象を広げており、FP3級は今年の五月から、2級は来年の五月からCBTへ全面移行するということになっている。私はつまり、FP界ではCBTによる合格者のうちかなり番号の若い方ということになるのだろう。
しかしここで気を付けなければならないのは、「全面移行」とはいうもののFP協会の体制はまだうまく適応しておらず、試験会場では回答終了直後に合格点が表示されているにもかかわらず「合否は来月(六月)半ばに判定し、合格者には結果を郵送します」とされているので、私はまだ「合格基準点をクリアした」に過ぎず、「合格」とまでは言われていないということだ。もっともFP3級は六〇パーセントの正答率で合格ということになっているのだから自己採点でもなしさすがにもういいだろうと考え、FP2級の本を買ったら今日家に届いた。

しかしCBTというのは本当にいい。
世の中には学生で司法試験に合格するひともいるというのに、この歳でFP3級だ。いつも言っているが内容は「義務教育でやった方がいいのではないか」というぐらいのものだし、強いて言うなら浅く広く勉強して独占業務もないのに国家資格とされている難易度最低級のこんな試験を就活中の学生や新入社員と一緒に机を並べて受けるのはさすがに心に来ると思っていたら、そんな心配はまるでなかった。

CBTの会場はCBT用の試験センターであり、それは渋谷の雑居ビル(ガチの雑居ビルで一階が飲食店)のなかにある、昔の個別指導塾みたいなショボい内装のクソ狭い事務所だった。
FP協会は「時間より十五分は前に来い」とか「開始から六〇分は退出できない」とかクドクドとメールに書いてきていたが、別に一斉に始まるわけでもないし、なんなら三々五々にやってくる受験者たちはFP3級を受けるというわけでもなくそれぞれに違う試験を目当てにやってきているらしい。入口で受けている説明もそれぞれに違うし、試験の長い奴は途中でトイレに行ってもいいとか言われていた。
律儀に三〇分前に着いたところ入口のおっさん(朝は会場にこのおっさんしかいない)に「もう始めますか?」と訊かれて、「え、アッハイ」と言ったらロッカーに時計からスマホまで全部預けろと言われ(事実上試験監督官がいないのだから仕方がない)、ログインIDとパスワードの書いた紙、メモ用紙と鉛筆をもらった。「今日はこのあと次の試験も予約されてますので、これが終わり次第、ご希望でしたらすぐ始められますので」とまで言われ、学科九〇分 + 実技六〇分の計一五〇分にわたるはずだった試験はものの三、四〇分で終わってしまった。「昼飯どこで食おうかな」などと考えながら来たにもかかわらず、試験が終わってもまだ十一時前だ。家へ帰った。

試験問題の漏洩なんていうことを考えると、択一問題のストックは従来の一斉会場試験に比べてたくさんないといけないのかもしれないが、受験する方からしたらこの試験方式は都合のいいことこの上ない。
いままでは年に何回かしかチャンスのなかった受験がほとんど毎日可能なようだし、時間もある程度自由に定めて申込み、終われば出てくるのだからたいして緊張している暇もない。名前を書き忘れたりコンディションが悪かったり(悪ければキャンセルして来週にでもまた申し込めばいい)ということもないし、受験票を忘れる心配もない(身分証明書だけ持っていけばよい)。「なにあのおっさん、いい歳してFP3級なんか取りに来てる……いまさら仕事になるわけもないのに社会的JAXAで草」とか言われることもないのだ。俺だってFP3級が仕事になるとは思ってないけど、話せば長くなるし、まぁそう思われるのはこれは仕方のないことだ。こないだ高校の同級生なんかはそんな冷たい視線にさらされながら一念発起で簿記3級の試験を受けに行ったら落ちたと言っていた(これは草w)。
その点CBTは、たしかに私のような年寄りはそのとき他に誰も会場にいなかった(普通は働いている時間だからだろう)とはいえ、みんな別々のタイミングでちがう試験を受けているのだからとにかく周りが気にならなくて良かった。みんな何の試験に取り組んでいるのかは分からなかったけど、たまにテンキーで「ガシャガシャガシャ!」「ガシャガシャガシャガシャガシャ!」と計算しているのは結局私だけだったので、あの時間帯にFP3級を受けているのは私だけだったのだろう。静粛ななかポチ……ポチ……とマウスで選択肢を選んでいく音だけがする部屋の中で、ひとりで「ガシャガシャガシャ!」とかやるの気持ちよすぎてワロタ

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