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コミュ力 | 2023-04-30

寒暖の差が激しかったり天気が不安定だったりと落ち着かない日々の続いた4月も今日で終わりです。4月といえば新生活の始まりの季節で、我が家でも中学1年生が不安と期待に満ちた表情で日々登校しているのが新鮮でした。小学校時代は遅刻の常習犯で卒業式の日にも華麗に遅刻していったくらいなのに、この一ヶ月はなんと無遅刻で乗り切りました。やはり人間は環境や付き合う人が変わると大きく変化すると言われておりますがその通りで、心なしか言葉遣いも変わってきたような気もいたします。

キノコは本日付で現職場を退職ということになり、明日から一ヶ月遅れで新生活を始めることになります。猶予期間というか、まあ娘1の新生活への対応もあるかなと思っていたので余裕を持って臨めるように時期をずらしたというのもあるのですが、家人が最終日まできっちり予定を入れたおかげで全く休むことができずに明日を迎えることになりそうです。こういう時に人間の配慮というものが表れるなと思うのですが、まあそういうところも含めての家庭生活ということはもう重々承知しておりますのでいまさらどうこう言うこともなく、自分で何とか余力を確保していくしかないという状態です。少しは感慨に浸る時間が欲しかったというところもありますが、時間というのはあればあるだけ寝てしまったりするものなので、限られた時間をやり繰りするくらいがちょうどいいのかもしれません。ちなみに現職の業務は見事にこぼれており、しばしボランティアでサポートをすることになりそうです。仕事とは何かというのを考えてしまいますね。

最近話題になったスープストックトーキョーの広報のスタンスですが、これはけっこう前から言われてきていたことではあり、八方美人的な広報というのが通じない世の中になっていくという話のいい例だったなと思います。インターネットを始め世間には様々な価値観や世界観を持った人間がいるわけで、多様性のもとそうした人々が共存していかれるようにしていこうというのが一つの理想ではありますが、共存というのは衝突がないということを意味しないですし、共存のためにこそ意見をすり合わせていくための議論などが必要だったりもします。企業と個人という図式はもう古くなっており、横文字で言えばステークホルダーという連帯がそれぞれの思想や信条のもとに集い、活動しているというのが現状であります。企業も法人としてどのようなスタンスを取るのかを明確化する必要があり、どのようなステークホルダーにベネフィットを提供していくつもりなのか、ということを明示することが求められているわけです。そのような中でどのようなコミュニケーションを図っていくのが妥当なのかということが、コミュニケーションに関わる広告代理店や広報代理店に求められる視点なのではないでしょうか。実際に企業に重宝がられているマーケティングプランナーというのはこうした自らの言いたいことをいかに幅広い層に受け入れられる形で伝えられるかというところを考えられる人であり、いわゆる成功したキャンペーンというのはそういうものだとされております。一方で、炎上として悪例とされてしまうのは、どのステークホルダーからも支持が得られないようなコミュニケーションだったりするわけで、これは企業でも個人のSNSでも構造としては似ているところがあります。ちなみにキノコは長いこと広告業界やマーケティング、Webコミュニケーションみたいな領域に関わってきましたが、本当に自分はマスコミュニケーションには向いていないなということを自覚しており、この先の職業人生においてはなるべくコミュニケーションに悩まなくて済ませたいと思っております。

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