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常時不足する余白と見果てぬ夢の価値。

今週は、うでパスタが書く。

メディアに躍った「失われた十年」のフレーズがいつからか「失われた二十年」となり、だが「失われた三十年」の話をするやつはもういない。
なぜなら三十年というのは、高度経済成長期よりバブル崩壊後の方が長くなったことを意味するからで、いよいよ日本はいま我々のいるこの状況をこそ「ニューノーマル」だと認めるほかに道のない、そこに立っているのだ。
三十年越しの「ニュー」ノーマルだ。笑わせるだろう。だがマスコミュニケーション理論の世界では古くから “News is old.”(「ニュースは常に過去を伝える」) という言い回しがあるのだ。
誰の言葉か忘れたので、とりあえずその世界の古典を貼っておく。

古くは世界経済のてっぺんをとるかという勢いまであった日本のサラリーマンが「働きアリ」とバカにされ、妙なコンプレックスから週休二日制やゆとり教育を導入したあげくにいまは「生産性が低い」と言われて、「だから長時間働いてたんだよ!」と絶叫しても時はすでに遅い。
少子高齢化に加えてどんどん年寄りが死ななくなっている日本社会の足腰はもう限界で、いずれ社会保障制度の一角から順にこの国はすべてが破綻するだろう。残るのはアニメとウォシュレット、そしてミセス・ワタナベだけだということを私は昔からずっと言っている。
あなたはこのうちのどれで生き延びるつもりだろうか?私はもちろんミセス・ワタナベだ。

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