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BiblioTALK de KINOKO vol.021のお知らせ|2022-05-17

この告知は、うでパスタが書きます。

最近は常にギリギリの告知になっていますが、執筆時点ですでに今日に迫った2022年5月17日(火)の20時より、YouTubeLive「BiblioTALK de KINOKO vol.021」を配信します。

いつもご視聴をいただいている方にはおなじみの通りですが、この配信は現在お読みの定期購読マガジン「九段下パルチザン」読者限定となっており、配信URLはこのノートの最下部、購読者の方にのみご覧いただける有料部分に記載してあります。このURLが流出してしまえば限定も何もないのですが、まぁそこは分かってくれということになっています。

四月は下旬に私の祖母があぼーんしてしまうという不測の事態などもあって配信を飛ばしてしまったのですが、おかげでこの月末にはその四十九日の法要が営まれることになっています。また宝塚というあの異様な街へ、今度は家族連れで行かなければならないのですが、この間もキノコさんは法定速度の三冊/日というペースで本を買い続けているわけですから、すでに四月・五月で概ね二〇〇冊が蔵書に加わっており、いくらかでもご紹介しておかなければあとが大変になります。

ところでお気付きの通り、開設当初「四〇〇〇冊」と公称していた九段下・ビブリオテーク・ド・キノコの蔵書もこうした自然増によりすでに五〇〇〇冊を大きく超えたと見られております。もともと優雅とはほど遠い設えで定評を得ているとはいうものの、さすがにダンボールが積み上がってもはや図書室や書庫というよりはヤマトの営業所みたいな様相を呈するにおよび、私たちも重い腰をあげて移転に踏み切ることにしました。
もうここまでくると同じような物件を渡り歩いても引越貧乏になるだけですので、夏のあいだに戸建へ越したいと思います。しばらくはお客さまをお招きしにくい状況ですが、秋頃からはまた活発な社交を行っていきたい考えです。

しかし夏ですね。
去年はやらなかったのですが、私は夏には「夏のル・カレフェア」と称して二ヶ月ぐらいのあいだ、ジョン・ル・カレの作品しか読まない期間を設けております。もともとはロイヤルホストの「夏のカレーフェア」を見て思いついただけの本当に寒い企画なのですが、何度も言っております通り、歳をとるにつれ「大切な本」が増えていく割に読み返すような時間や心の余裕はすり減っていくということで、あるタイミングからは確実に自分を強くしてくれる小説をわざわざ読み返す機会を設けることが大切な時期に入ると私は信じています。

今年の「ル・カレフェア」では何を読もうかなと考えているのですが、実は年初に「著者が死んでから出た新刊」の「シルバービュー荘にて」を読んでいるので、ここはひとつル・カレが破天荒な「スパイ」であったとし、自身の生き方に多大なる影響を受けたという実父について書いている「パーフェクトスパイ」と、それからそのル・カレにまた強い影響を受けたと明かす息子のニック・ハーカウェイの「エンジェル・メイカー」あたりから手を着けてみるかもしれません。「エンジェル・メイカー」は、ル・カレの作風とは似ても似つかぬスチームパンク小説なのですが、謎めいた祖父の背中を追った父の背中を追う主人公、というファミリーヒストリーが構造化されており作者の実力が父親以上であることを感じさせる傑作だと私は思います。

では、本日20時に九段下パルチザンのYouTubeLIVE配信「BiblioTALK de KINOKO」でお耳にかかりましょう。
以下、有料部分にYouTubeLive配信URLを記載します。

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