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【Tap10】ミヤタビール(東京)

 現在のクラフトビールブームは、全国各地に広がるマイクロブルワリー(小規模醸造所)が牽引するところも大きいのではないかと思います。2014年にオープンした東京・押上のミヤタビールは、その草分け的な存在と言えるでしょう。

 元はラーメン店だったという決して広くはないスペースで、カウンターにブルワー(醸造家)である店主が立ち、背後に銀色のタンクが並ぶ。その場でつくられたフレッシュなビールが、つくった本人の手によって注がれるという、マイクロブルワリーの醍醐味がそこには詰まっていました。
 週末しか営業しないスタイルも当時の僕には衝撃的で、なぜそんなにお休みするのだろうと不思議に思っていたら、「平日はビールをつくっているので」とブルワーの宮田昭彦さん。そうか、ここは飲み屋というより工場なのだなと新鮮な気づきを得ました。

 そんな宮田さんは、もともと光学機器メーカーに勤務していたサラリーマン。子どもの頃からものづくりに関心があり、それがビールで起業という選択に繋がりました。

 IPAやペールエール、ゴールデンエールなど、定番的なスタイルを粛々とつくり続ける一方で、関心の赴くままに手を広げ、いまではシードルやワイン、さらにはブランデーまで手掛けるようになった宮田さん。
 聞けば、大学時代は探検部に所属されていたそうで、まさに酒造の世界を所狭しと探検しているかのようです。遠からず、「ビビビ。」でも宮田さんのつくったブランデーを提供できればと思っています。

〈Text By Satoshi Tomokiyo〉


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