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美深白樺ブルワリー(北海道)

 「美深(びふか)」とは北海道の道北エリア、稚内と旭川の真ん中あたりにある地名です。
 その美しいネーミングは、「piwka(ピウカ)」というアイヌ語に由来があり、“石の多い場所”を意味しているのだそう。おそらくは近隣を流れる天塩川の河原の砂利から、こう呼ばれることになったのでしょう。

 その美深町で2019年からクラフトビールの醸造を行っているのが、「美深白樺ブルワリー」です。
 今のところ日本最北端のブルワリー(醸造所)で、最大の特徴は白樺の樹液をビールの副原料に用いていること。冬の間に白樺の木々が吸い上げた雪解け水が、春先に抽出され、それがこの地域の名産のひとつになっているのです。

 主には化粧品の原材料として利用されてきたという白樺の樹液ですが、これをビールづくりに活用しようというプロジェクトに乗り、東京から移住してブルワーを務めることになったのが、代表の高橋克尚さんでした。
 実は「ビビビ。」オーナーの1人、日比谷の先輩という奇縁もある高橋さん。ブルワリーを訪ねた際に白樺の樹液を飲ませていただいたところ、なんとも言えないきれいな甘みが雄大な自然を想起させました。

 そんな素材でつくられたビールが美味しくないわけがない! 「ビビビ。」ともたびたびコラボレーションしているこの美しい名称のブルワリー、引き続きご注目ください。

〈Text By Satoshi Tomokiyo〉


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