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Y.MARKET BREWING(愛知)

 長らく名古屋のクラフトビール市場を牽引してきたY.MARKET BREWING(ワイマーケットブルーイング)。
 フリークの間では「ワイマ」の通称でおなじみですが、これは明治時代から名古屋の台所として市民の生活を支えてきた、近隣の柳橋中央市場を「Y.MARKET」ともじったものです。

 創業の2014年当初から、「早くも生産が追いつかなくなり、その年の暮れには社長と新工場の設立を真剣に議論していました」と振り返るのは、ヘッドブルワーの加地真人さん。

 いまから約20年前、カナダへの語学留学中にエールビールと出会い、深く感銘を受けたことがブルワー(醸造家)を目指すきっかけになったという加地さんは、帰国後に長野県の某ブルワリーに就職。数年間の醸造経験を積んだあと、縁あって名古屋で約80年続く老舗酒販店「岡田屋」のブルワリー(醸造所)設立計画にジョインすることになり、ワイマが誕生しました。

 先日、2019年に落成した新工場を加地さんにご案内いただく機会がありました。缶製品の一大生産拠点として設計されており、「大手が専有する缶ビール市場を取りに行くつもりで新設した」とのこと。

「なぜかビールは瓶で飲むほうが美味しいと誤解する風潮がありますから、市場がどこまで応えてくれるのか不安もありました。でも現在こうして、クラフトビールを缶で飲むのが当たり前になっていることに、心底ほっとしています」(加地さん)

 バリエーション豊かなワイマの製品が全国で味わえるようになったのは、ファンにとっても嬉しいことです。「ビビビ。」でも引き続き、東京で同社のビールをプッシュしていければと思います。

〈Text By Satoshi Tomokiyo〉


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