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便太郎のおもひでぽろぽろ【第11話】上海キャンディーズ

外灘の時計台の鐘の音を聞きながら…
過ぎてゆく時間…
尽きていく金…

あれほど無愛想で無慈悲だったキャプテンの服務員とはスタッフパーティに呼ばれるほど仲良くなっていた。

街を歩いてると、
「ツゥンヌへ〜!」
と可的(コンビニ)のババぁから突然声を掛けられたりする。

当時上海№1コンビニの可的⁉(四川中路店)

アレ?なんだ?このホーム感は!

四川中路のワンタン屋のお姉さんがすっごい美人で毎日通った。
九江路の臭豆腐の屋台のオヤジが同い年で衝撃を受けた。
キャプテンの向いにある「森雅酒楼」という、中華料理屋の、いやらしい老板娘とも仲良くなった。
そこら中に行きつけの店が有り、上海がホームとなった感じがした。

福州路と四川中路の交差点。店はほぼ変わってしまった。

何もすることが無い時は、可的に入りびったった。
なんせ店の前を通ると中からばばぁ3人組の上海キャンディースのだれかが、呼びに来るのである。

そんでもってレジの横に椅子を用意してくれて、ここに座れというゼスチャーのもと、強引に座らせられる。
上海キャンディーズは、この怪しい日本人に興味津々だった。

最初は、1,2,3,4,5…
数の数え方から始まり。
挨拶。
自己紹介。
買い物のときの会話。
あれこれ、どこそこ、好き嫌いなどなど…
筆談交えていろいろ教えてくれた。
そして、根掘り葉掘りいろいろ聞かれた…

「なんで上海で仕事探すのか?」
「日本の方が稼げるだろ?」
「日本の給料はいくらだ?」
「なんで結婚しないんだ?」
「日本の仕事紹介してくれない?」
「ミシミシ」
「あずもああだしわ」
「くずもわくだしわ」…などなど…
(この意味わかる人は気が合うと思う)

レジに客が並んでてもそっちのけで雑談に興じる上海キャンディーズ!
面倒くさそうに、くわえたばこでレジ打ちする姿がカッコイイ!
もちろんお釣りは放り投げる。
よくよく観察していると、
お客さんもお金を放り投げて払ってる人が多い事に気がついた。

アレ?
待てよ?
店員は客にお金を投げられたから投げ返しただけなのかも?
客はこの前、つり銭を投げられたから今回は、投げて払ってやるつってリベンジに燃えているという事か?
と妄想にふけりながら、これは中国の習慣なのかも知れないなと思った。

毎日2〜3時間、可的でばばぁ3人組の上海キャンディーズと筆談してたら、中国語少しずつ話せる様になっていたのだ!

ただこの時、必死で覚えていたのが上海語だったと気がついたのはずっと後の事…

当時入りびたった可的。今はファミマになってました。

トラベラーズチェックが残り3枚(3万円)最悪日本に帰るしかないのか?
でも帰る場所など無い。

また派遣で寮に入り工場勤務?
絶対ヤダ!

せっかく抜け出したのに…
ホームレスになろうとも絶対帰らねーよ!

毎日外灘をブラブラ。
更に時計台の鐘の音を聴く日々…
可的の上海キャンディーズと過ごす日々…
やっぱコンビニは好德より可的だなぁと思ったそんなある日。

可的の永遠のライバル「好徳」ここはまだ残っていた。看板の色褪せ具合がキュンくるなぁ~😭

勝利の女神?

は、突然微笑むのだった。
なんとずっと前にメールした会社から返事が来たのだ!

つづく。

【こぼれ話】
ローソンは当時から中国に進出してたけど、全然目立たなかったなぁ~
とにかく看板が暗くて営業してるかわからんような感じだった。
そんな中、可的だけが看板がキラキラして目立っていた。

可的、好徳、快客、ローソン。看板の明るさの順位はこんな感じ。
(あくまで便太郎の印象です)

それをね。
ギンギンギラギラのファミマが、
一気に上海を席巻したんですよね~✨

夜上海をファミマが照らしてたよ!
マジで!
明るかったなぁ~

それと、
各コンビニの名前の入りのライターが売ってるのだが、
好徳の木目調の1元ライターが断トツ1番人気であった事も付け加えておく。

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