見ているよ
実家は、自分が一人暮らしをしているアパートから車で1時間ちょっとで行ける距離にある。その気になれば毎週末でも帰れるのだが、緊急事態宣言下ということで月に一度程度しか帰らない。
実家に帰れば犬がいる。現在1歳半、まだまだやんちゃ盛りのかわいいラブラドール・レトリバー(♀)。
甘えん坊である。
こんなにかわいい子に頻繁に会えないのは寂しい。できることなら実家から通勤したいぐらいだ。
寂しさを紛らわすために、SNSにアップされている犬の画像を楽しんでいる。twitterやinstagramに載っている犬の画像は確かにかわいいが、かわいすぎる感が否めない。大人数に見られるということで写真に気合が入りすぎていて日常感に欠ける。高すぎる完成度は寂しさを埋めてはくれない。
そこで、LINEのオープンチャットに参加してみた。ラブラドール・レトリバーを飼っている飼い主さんが集まり、飼育に関する悩みを相談したり、ラブラドールあるあるをぶつけ合ったりしている。そして、今日はどこへいったとか、こんなことをやらかしたとか、映えはしないが親しみ深い写真をアップしてくれている。
これがすごくいい。犬と過ごす日常を擬似体験させてくれる。寂しさを紛らわすにはうってつけだ。
自分が参加する前の投稿を遡ってみていると、なんと実家で飼っている犬もそこに登場していた。母がそのオープンチャットに参加していたのだ。ネット関係には疎く、amazonの注文も自分が代理で行っているぐらいだ。その母がラインのオープンチャットで会ったこともない人と楽しげにやりとりをして、犬の話題で盛り上がっている。
素性を明かそうかとも考えたが、やめておいた。知らない人しか見ていないからこそ言えることもある。匿名性が守られた状態でのびのびと楽しんでいる母を邪魔したくはない。母が元気にやっている姿を(少し)離れた地から確認できるのは嬉しいことである。
でもよく考えたらやってることはネットストーカーと変わらない。母親が参加しているオープンチャットにひっそりと忍び込みその発言を観察してると解釈したら笑えないぐらい気持ち悪い。マザコンの果てだ。
素性を明かそうか明かすまいか、今でも悩んでいる。犬の姿に癒されたいと気軽に参加したオープンチャットが思わぬ悩みの種となってしまった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?