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インドの神様「ガネーシャ」の誕生秘話

インド料理店などにいくと入り口によく象さんが座って出迎えてくれる。

お腹は丸々と太りゆったりと座っていることが多い。身体は人間だが、頭は象である。長い牙の一本は折れている。

知恵と知識の神「ガネーシャ」である。なんとも不思議な神様だが、インドでは多くの人々に愛されている。インドには日本と同じようにたくさんの神様がいて彼もその一人である。人間味あふれるその身体つきは人々を魅了している一つの理由なのかもしれない。

ガネーシャには両親がいる。母はパールヴァティといい慈愛、創造の神である。そして父は誰もが恐れる破壊の神、シヴァである。ガネーシャの母パールヴァティは綺麗好きだったそうで肌の手入れをするために豆の粉にヨーグルトとターメリックを少し混ぜそれをパックとして顔に塗っていたらしい。そして何を思ったかある日、パックをした後の混ぜたものを集め人形を作ったのである。パールヴァティは神様なのでその人形に命と役割を与えることができる。彼女は日々たくさんの人が来て様々な願い事をしてくるのが煩わしかったのか、風呂に入りたかったのか、人形に「門番」という役割を与えたのである。そして門番になった人形に言うのである。誰も家に入れないようにと。

門番となった人形は忠実にパールヴァティの言いつけを守り家に来る人々を追い払っていった。そして何日かたったある日、シヴァ神が何処からともなく家に帰ってきたのである。シヴァ神は当たり前のように家に入ろうとするが、なぜか門番に断られてしまう。短気のシヴァ神は怒って門番を払いのけようとするが、力負けしてしまうのである。さらに怒ったシヴァ神は街に繰り出し友達の神様何人かと軍隊を率いてリベンジマッチにやってくるのである。多勢に無勢。門番はシヴァ神率いる神様たちにやられてしまい、最後には首を刎ねられてしまうのである。騒ぎを聞きつけ家の中からパールヴァティが現れたときには首のない門番が横たわっていた。その光景を見たパールヴァティは怒りに怒ったらしい。その怒りは世界を覆い尽くしてしまった。このままではこの世が終わってしまうとびっくりしたシヴァ神とその友達の神様たちはパールヴァティに謝りに謝った。パールヴァティはこの世の破壊こそしないまで落ち着いたが、門番の首を刎ねたことは許せずシヴァ神とその友達の神様たちに代わりの首を要求した。そして蘇らせた暁には何よりもまず門番にお祈りすることを誓わせたのである。

そうだ、最初にこの家の門の前を通ったものの首をいただこうではないか。シヴァ神がそう言うと周りの神様も賛同した。そして幸か不幸か最初に通ったのが象さんなのであった。

ガネーシャの誕生である。

何よりもまずはガネーシャにお祈りすること。そのためにインド料理屋さんの入り口にはガネーシャが鎮座しているのかもしれない。知恵・知識・福・富と様々な良きものの象徴ともされるガネーシャの誕生ストーリー。

そして神話にでてくるくらい古くからターメリックは美容にも使われてきたと言うのもおもしろい。
今ではターメリックは美白効果があるといわれ様々な化粧品はスキンクリームなどにも使われている。

たまにちょっと塗りすぎて顔が黄色くなっているインド人を見かけると、美意識が高いんだなぁと思う。

何はともあれ今度インド料理屋さんに行ったらぜひご一緒の皆さんにこの話をしてやったください。

「ガネーシャの一部はターメリックなんだよ」


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