見出し画像

インドドリンクツアー

インドについてまず飲みたいものはココナッツウォーターである。インドのムワッとした熱気は飛行機が着陸するかしないかくらいで襲ってくるような気がする。まとわりつくような埃と熱い空気に喉を潤したくなる。そんな時にフレッシュなココナッツウォーターが飲めたら最高である。南インドの空港だと車を少しばかり走らせればヤシの木が並ぶ道に出ることができる。そしてヤシの木の下に座っているおじさんを見つけたら車を停め、おじさんにココナッツウォーターを注文する。大体のおじさんは無言でココナッツの木をススススっと登っていき腰につけた鉈でココナッツを切り落とすとススススっと降りてきてその鉈で勢いよくココナッツの毛をむしり取りカツっと振り落とすように鉈をココナッツの頭部に差し込み、さらに数回カツッ、カツッとやるとココナッツの頭部が開きそこにストローを差し込んで手渡してくれる。ストローはいらないといってココナッツの頭部に口をつけるようにゴクゴクと飲み干すとほのかな甘みととろみを帯びたココナッツウォーターが喉を通り過ぎ、体内の隅々まで行きわたっていく。これを飲むと潤いと安心を手に入れた気分になる。ある人に聞いた話だがココナッツウォーターを最初に飲んでおくとインドで体調を崩しにくくなるのだとか。飲んだ後のココナッツをまたおじさんに手渡すと、また腰にぶら下げている鉈でココナッツを切ってくれてその果実を食べることができる。これもまた美味しい。

南インドでは割と気軽にココナッツウォーターを手に入れることができるが、北インド、西インドなどではそううまくココナッツおじさんを見つけられない。西インドだと私はフレッシュなシュガーケインジュースやオレンジジュースを飲むのが好きである。大体がサトウキビをその場で簡易的な手で回す機械で絞ってくれる。これも美味しいのだが少し田舎の方に行くと2頭の牛が対になり円状に回り、真ん中にあるさとうきびをゆっくりと絞っていくジュース屋がたまにある。ゆっくりと絞られたせいか、さとうきび自体が美味しいのかわからないが、その辺の道端で飲むシュガーケインジュースよりはるかに美味しく感じる。

その他に飲みたくなるのがチャースやラッシーと言われるヨーグルトドリンクである。これも実にお腹に良い。熱気に包まれたインドで飲みたくなるのは塩味が効いたナムキーンラッシーというものである。ヨーグルトを薄めたものに塩、ローストしたクミン、コリアンダーリーフやたまに青唐辛子も加えられたものである。甘くなくサッパリとしている。

インド北部、パンジャーブ州などではサフランやローズウォーターなどを入れた甘いラッシーもある、これらもとても美味しい。マンゴーラッシーも捨てがたい。

ココナッツウォーターから始まるインドドリンクツアー。ストリートには魅力的な飲み物が溢れている。飲み疲れたらチャイでも飲んでちょっと休憩しよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?