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カレーパン精神

少し前から定期的に青葉台のパン屋さんで料理教室を行なっている。当初は2種類のスパイスから作るカレーをデモンストレーション形式で披露してご飯とともに召し上がってもらっていたが、せっかくパン屋さんで行なっているのでと、パンに合うカレーとパンメニューを提案する料理教室に変えていった。サンドイッチやチャパティなどもやったがやはりパンとカレーといえば「カレーパン」。近年では好きな惣菜・菓子パンランキングではサンドイッチに次いで2番目の人気なのだそうだ。カレーパンの生地をパン屋さんに作ってもらい我々は中身となるキーマカレーを作りそれを詰めて一緒に揚げた。

出来立てで熱々のカレーパンはみんなを笑顔にした。明治から大正にかけて洋食が広まり、1923年の関東大震災で打撃を受けたお店が復興メニューの一つに考案したのが当時人気だったカレーとトンカツを組み合わせて作った「洋食パン」。日々の労働で忙しい人々は片手で食べられる満足な食事を大変気に入り、いつの日か洋食パンは「カレーパン」と呼ばれるようになったのだとか。

新たなこと、新たな味、新たな出来事が入ってきたりするとそれを受け入れその時、その場所にあったものを作っていくのがとても面白い。洋食作りで培ってきた技術、トンカツで培った技術そしてそれらの知識があったからこそカレーパンが生まれたのであろう。そんなことを知るたびに新たなものを生み出すにはしっかりとした土台や知識、技術が必要なのであろうと思う。

我々はスパイスの知識、技術、効能、歴史などを常に学んでいくことによって様々な状況や需要に柔軟に色々なレシピ、メニュー、スパイスミックス、商品を作っていくことができるのではないだろうか。

1年とちょっと前から全国各地の農家からその時に取れる野菜を色々と送ってもらいその時の野菜を見て何を作るか考え、レシピを作っていく「サブジの会」。魚を色々と送ってもらい作っていく「フィッシュマサラクラブ」、日本ワインを合わせていく「スパイスつまみの会」、季節や旬をテーマにした「季節を楽しむスパイスの会」などをやっている。「野菜」「ワイン」「魚」をテーマにしているが今後は「肉」「パン」「米」など「茶」などもやっても面白いのではないかと思っているし、それぞれのテーマを通して生産者や作っている場所、そしてそれぞれの歴史などを知ることができる。スパイスというレンズを通して知れる世界は色々とあるが「スパイス」と「発酵」を通して「人」をテーマに日本の魅力をスパイスを介して学んでいくのも面白いのではないだろうかと思っている。

たくさんのことを「スパイス」を軸に知ったり、作ったり、行なったりできたら良いなと思っている。もしかしたらいつか「カレーパン」みたいなものが生まれるかもしれないし、もう生まれているのかもしれない。

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