男性エンジニアの「育休したい」を普通に「いいよ」と言える業界に
みなさまこんにちは、BFT名古屋支店・インフラ女子(?)のやまぐちです。2021年になりました。どうぞ本年もよろしくお願いいたします。
現在厚生労働省では男性の育児休業取得を促進させるために、子供の出生後8週間以内に休みを取りやすくする制度をまとめています。ご存じでしょうか?
企業側にも個別に制度があることを知らせ、取得の意向を確認することを義務付けられる予定です。また、従業員1001名以上の企業には育休取得率の公表も義務付けられます。
BFTは全体で400名程度、名古屋支店は20名にも満たないので育休取得率の公表は不要ですが、最近ひょんなことから知り合いの男性エンジニアが育休を取得したということを知り驚きました。
え?あの忙しいチームが?あのみんなから頼られている人が育休!?
というわけで、今回は男性エンジニアの育休についてBFTの実績を交えながら書いていこうと思います。
まだまだ一般的ではない「エンジニア男性の育休」、
その背景とは?
年始の一発目の記事で炎上させる気なのかと図を描いていて自分でもどうかと思ったのですが、IT業界のエンジニアは人数比としてこのような構図になっていると私は感じています。この定義は経験年数で分けているのではなく、私独自のもので偏見もあります。
ベテランエンジニア… 時代を作る人くらいのすごい人からとりあえずこの人がいれば案件は何とかなるという人まで幅広い。
中堅エンジニア… 自分で考えて動ける(自走)。困った時に上長やベテランエンジニアに頼れる人柄とコネクションを持つ。
新米エンジニア… 言われたことをやる。技術力・人間力は発展途上。
IT業界に入ったら先輩の下で技術力を身に付け、2、3年したら部下を付けてリーダーの経験をさせて10年たったらシステム全体を設計できるようにする、そんな都市伝説にも似たキャリアパスがこの業界にはあります。実際にそんな理想的なキャリアパスを歩めている人は見たことがないですし、現実は右の図のようにとにかく自分で考えて動ける・自分のキャパを理解している中堅エンジニア以上が絶対的に不足しています。
ここで中堅以上のエンジニアが抜けるとどうなるかというと、
大勢の指示待ちエンジニアが取り残される
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お客様へ今まで通りの品質が提供できなくなる
残ってる人、新しい人で何とかやるも、時間とお金がかかる
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会社としての信頼が低下する
(代替の人を用意できない、とか人を育てられないという話になる)
取り残されたエンジニアたちは一生懸命頑張ってるのに認められない気持ち
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契約継続してもらえない、単価が下がる
エンジニアが会社を辞める、疲弊する
・・・のように負のサイクルが想定されます。代わりの人を用意できれば一見落着ですが、できるエンジニアというのは基本的に空いていません。他の業界に比べ男性が育休を取得しにくそうだなと私自身思っています。
育休を取得した本人とその上司のお話
今回で2回目となる育児休暇を2か月取得中のTさん(35歳)。業務の内容は驚くなかれ、24h354d(「ニーヨンサンロクゴ」と読みます)のインフラ保守、サブリーダーです。昼も夜も人がいてお盆休みも年末年始も関係ない、何かあれば誰かが対応する保守チームはエンジニアとして最も休みにくい体制と思われます。
「1人目の育児を経験して大変さは身に染みてわかっているため、今回もとろうと思」ったとのこと。育児休暇を「普通のこと」として上司に伝え、会社も「普通」に対応したという話を聞いて、いい時代になったなぁとしみじみ思います。
率直に「偉いなー、という思いと、取得に向け応援しよう」と思ったという上長、BFTのミスターダンディーも二児の父親(44歳)。Tさんが育休取得中のシフトをどうしようか、お客様へ提供する品質は下がらないだろうかという不安はあったそうですが、どんなタイミングでも「同レベルの保守品質を提供できるよう、仕組みづくりやメンバ育成をしなければならない」と考えたそう。
ところで年始に見たドラマスペシャルで男性の育休にまつわるエピソードがありました。引用します。
いつ誰が長い休みを取るかわからない。働いているのは人間なんだから。
そういうことでしょ?その時何が大事かって言ったら誰が休んでも仕事は回る、帰って来られる環境を普段から作っておくこと。
それが職場におけるリスク管理。
そしてそれをするのがプロジェクトリーダーなのだと。男性が長い育休を取得することに嫌味を言うPL(プロジェクトリーダー)に対して、支援に来た育休を取得するエンジニアの元上司が言ったセリフです。このセリフを聞いてすごいなーという思いと共に可能性を感じました。
リスク管理というのはエンジニアにとっては得意分野です。得意分野、というかマネージャじゃなくても考えるべきこと、とでもいうのか。このセリフ自体も開発エンジニアのチーム内での話です。
エンジニアだからこそ男性が育休を取得できる、いつかそんな業界になるのではないかと思わずにはいられません。
家族との関係も大事にする働き方をしよう
「家族との時間をもっと取りたい」
そう言って会社を辞めて奥さんの実家である伊豆大島へ移住した同期がいます。子供と毎日一緒に過ごせるという幸せは、それまでのマネージャという地位や収入を捨ててもおつりがくるくらいなのだと思います。彼はエンジニアではなく接客業でしたが、男は家庭を顧みずに働くものというステレオタイプは今の世の中では支持されない価値観ですね。
BFTが男性エンジニアが育児休暇をとりやすい会社、なのかもしれません。少なくとも規定にそって育休を取りたいという人にNOとは言わないですし、言いにくい環境でないことは確かです。しかし人の入れ替わりが日常的に発生するIT業界では育児休暇は取りやすいはずです。IT業界が男性の育児休暇取得を促進させる役割を担える、そう思っています。
家庭も仕事も諦めない、そんな当たり前の働き方をしていきたいですね。
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