山形大学医学部前期【2024】感想
こんばんは。バトルフェイス木村です。
国立大学二次試験、皆さんお疲れさまでした。
きょうは26日なので、もう一日ある大学もありますが、そこはご容赦ください。
さて、山形大学の医学部を受けてきたので、試験と面接の感触について記録を残していこうと思います。3/8追記
理科
うまくいかなかった。
どうしても気持ちが焦ってしまって、物理化学両方丁寧に吟味するべきなのに良く考えず化学の高分子から着手してしまった。高分子からスタート。内容は平易だが、ビニロンのアセタール化、イオン樹脂交換、ペプチド結合の数、と参考書に載ってるテンプレ計算問題が並んでいたがために粘ってしまい、20分もかけてしまった。しかも答えがいくつが出ず、「まずい」と思い次に有機へ。有機はジカルボン酸から六員環を作る構造決定で、見慣れない形を書かされたので何度も不安になって見返してしまった。解答欄が小さくて構造式も書きにくく、タイムロス大。この時点で残り25分程度。押し気味。無機へ移動。二部構成で、後半は知識なのでさっと埋める。前半は系統分析。何千回もやってきた問題なのに、「アルミと亜鉛ってどっちがイオン化傾向大きかったっけ?」と覚えているべきだし、問題の本筋に関係ないことが気になって時間を捲れず。丁寧に行き過ぎたため理論は残すところ10分。語句だけ埋めて設問の半分占める計算問題はほとんど未着手。最悪の気分で物理へ。
物理は3問構成。大問2の電磁気から。コンデンサーの誘電体挿入とヤマを貼っていたのでしっかり当たる。誘電体に比誘電率ではなく誘電体の誘電率を与えていてドン引き。まあそういうこともあるか。一番最後の設問は挿入前後のエネルギー差と外力の定番問題だが、文字の量が多すぎて途中で計算を断念。
お恥ずかしいことに、僕は山形大学の物理が記述が必要というのを知らず、逐一物理量を日本語で説明しないといけないのでめちゃくちゃ時間を使ってしまった。この時点で80分経過。化学の空欄が目立つことを考えるとかなりまずい。力学と熱力学で迷うが、熱力学がボルツマン定数の導出で、これは時間なくても知識で合わせられるぞと判断して時間を力学に投入することに。
力学も発想は平易だが……文字と設定が余りにも面倒くさい。力学が雪崩れると「おしまい」なので(1)を大事に大事にやった結果かなり時間をアタマで使い、時間をロスする。丁寧に丁寧に進めていき、最後の小問を残してラストへ。
さあ残された時間は16-17分。熱運動のモデル化でみんな見たことはあるんだが、回答に確証が持てない物理量が出てくる。更に設問数もかなり多い。まずい、、と思いつつ最後の2問を残してギブアップ。残り数分残ったため、化学の計算を一問解いて終了。ひどく嫌な気分で試験を終えた。
立ち回りとしてはいつもとすこし変えて、化学は素直に理論→有機→無機→高分子でやっていくべきであった。時間対効果がものすごく悪い解き方をしてしまったし、必要以上に慎重に進めすぎてしまった。物理は9割、化学は8割埋めたため、点数は物理75点、化学65点で140点前後と予想。
数学
さて、数学。共通問題3完して医学部専用問題はやることがわかってるので次官の限り計算するというのがセオリー。ここ数年間傾向が面白いくらいはっきりしていて、同じような問題しか出ないので軽く捻るか……表紙ペラリ…………ウーン?と頭を捻る。
しばらくでてない数列が出てきて、しかも設定がややこしい。1問目の確率は普通だが、数え上げないと行けないタイプで、球を出し入れしたりサイコロ転がしたりする計算ゲームではなく神経を使うもの。第3問目の平面ベクトルは流石に易しいが、医学部専用問題もこれまたイマイチ解けそうで解けない問題。
開始15分、第3問の平面ベクトルを神経使って丁寧に丁寧に計算合わせる。順調。次に確率へ。山形の確率は時間を削るより丁寧に合わせたほうが点数が積み上がるので、時折数え上げながら命を懸けて当てにいく。第1問と3問を完答させて60分経過。予定通り。
さて、第4問の数列か第5問の医学部専用問題で悩む。数列は若干実験が必要そうで、すぐにはできなさそう。5問目は複素数が小問2つ、積分が小問3つの独立した問題が並ぶ。積分から進めるのが鉄則。1問、2問順調。3問目に…定積分の値を定数とおいて関数を決める問題。定積分の中に絶対値が入っており、しかもどう整理しても絶対値の中に3種類の三角関数。これを粘るのは不得手と見て複素数へ。これも1問目の小問はショボいのだが、2つ目の軌跡から絶対値の最大・最小を考える問題が絶望的な計算を生みそう。パラメタ設定してみても共役取って展開しても駄目。ゴリ押ししかなく、120分しかないことを考えると撤退。医学部専用問題は1/2,2/3の出来で撤退。
さて第4問の数列。小問は4つ。1問目の誘導がゆるく、かなり驚くが代入していくとなんのことはない。なるほど、平方数の足し合わせで数列を定義していると。1問目、2問目、なんのことはない。3問目……ここで迷走。やりたいことはわかるのだが、文字がややこしく、試験本番で見るとうっとなるタイプ。(修練不足なのはその通り) 2回計算をやり直してしまい、出てきた答えも全然自信がない。ラスト4問目は途中まで方針を書いてタイムアップ。
2完2半、確率ーベクトルー数列ー複素数/積分の順に 50-50-30-5/15でマックスで150点。確率を全部当てた試しが殆ど無いので、そうなると130点。うーん、大失敗こそしてないが、暗雲立ち込める。
英語
さて英語。山形大の英語は易しいと評されており、目標170点と書くサイトもある。しかしこれは前からかなり疑問で、本当にそれだけ取れるなら合格最低点が1200点に集まることはないのではないかと見ている。内訳を見ると文章は2つで、それぞれ設問が5つずつ。6問が選択で、4問が記述。記述に傾斜かけて選択と記述で100点ずつで分配しているのではないかと邪推はしている。(意識して解くことはない)
試験開始ペラり。いつも通りである。英作文がついてる大問から処理するのが鉄則なので、後ろの文章から。ふむふむ。デジタルと紙の文章とでは、紙の文章のほうが頭に入ってくると。卒なく丁寧に選択肢を選び、英作文もそこそこのことを書いて30分経過。残り60分。問題は1つ目の長文である。題材はスマートテレビ。安いスマートテレビってのは視聴者のデータを抜き取って売りさばき、アドをつけてるから安くできるんだぜ、と。なるほどね。前置詞の穴埋め、単語の意味、問題ない。内容一致の選択肢が、、、おかしい。文章があっさりしており、選択肢もあっさりしすぎているせいであまりにも選びにくいのだ。しかもこの選択肢一つに少なくとも15点が乗っている。600点の学科の15点が、めちゃくちゃふんわりした選択肢に乗ってるのである。恐ろしい。この選択肢を選ぶのに15分くらい費やす。さて、和訳。これもちょっと凝った和訳を要求する文が出た。問題数が多いなら適当に意訳して文法もわかってますよ感を出すために文法書のような表現をしてまとめるのだが、えげつないくらい凝った表現が出てくる。緊張感で汗ダラダラ。ものすごく丁寧に構造を考え、15分これもかけて和訳したが自信がない。さて最後は文章の最後のセンテンスは、どういうことを意味するかという日本語での説明。これもまた文章も設問も抽象度が高くて、しかも50語の日本語で書かないといけないので骨を折る。推敲に推敲を重ね、ちょうど書き終わってタイムアップ。自信はない。設問が少なすぎる。高く見積もって140点か。
面接(3/8更新)
まだ書けない。が、優しくもなく厳しくもなかったので、まあ上々か。80点未満をあまり見たことがなく、80点と見積もるか。
更新分
山大から発表がありましたので、面接の詳細について書きます。受験番号は相当後ろの方だったので、かなり待ちました。待っていると他の学生が呼ばれるのを見るのですが、体感面接は5分もなくて驚きました。さて、私の番です。
Q1 経歴説明
山大は履歴書の提出もなければ、卒業大の証明書も出さないため、まずは経歴を説明するように言われました。ありきたりなプロフィール紹介です。
Q2 大学院やめてから医師になるのを決めた理由
いわゆる医師志望理由です。どう答えたかは割愛しますが、やはり大学院1年目で医学部再受験をする、ということの説明が相当に求められました。
元々医師になりたかったが、高校生の頃は学力が足りず、まずは視座を上げるべく医学とは全く関係ない大学に進学したと説明。医学と関係ない?本当に?と聞かれたので、材料工学の知識は転用できるかも、といったことは話しました。
Q3 どういう医師になりたいか
将来のキャリアプランについて聞かれました。地域医療の総合診療医と答えたところ、大学院出たのに研究はもういいのか?笑と和やかな雰囲気で聞かれました。ここで研究も興味がある…というのは絶対の禁忌(だって医工学系の大学院に行けばいいんだから)なので、あくまでも臨床で、と貫きました。
Q4 困ったときはどうするか?
抽象度が高かったので意図を確認しながら、説明しました。インターネットに吐き出すのではなく、友人と相談して〜と言ったら、「ああネットね笑」と笑っていらっしゃいました。
Q5 大学時代勉強で他に打ち込んだことは?
まずは研究活動。次に剣道やってて体力あります、文化面では合唱サークルで東北の震災にちなんだ歌の練習に打ち込んだり、あとは競技ディベートに打ち込んだりして賞を頂きました……と言ったことを話しました。就活のガクチカの経験が生きたと思います。多彩ですね!と褒められたのは嬉しかったです。
Q6 阪大行けたのに偏差値足りず医学部断念したって本当か?
かなり意外な質問でした。高校生の頃は成績が足りていたけど医学部には受からず……というのは嘘でもなければ胸を張って本当とも言い切れない成績で、実は再受験中よりも高校生の頃のほうが成績が良かったという事実もあります。しかしこれは前から用意していた切り返しとして、センター試験で失敗して二次で巻き返した、と説明しました。偽りはありません。しかしずいぶん詳細には聞かれ、その後再受験中の勉強の取り組み方について聞かれました。予備校や塾に行ってないことを伝えると驚かれてお褒めいただきまして、嬉しかったです。
聞かれるべきところはかなり丁寧に聞かれ、他の面接室では圧迫もあったと聞いたので、事前に聞いていた山大のイメージとはかなり違いました。高得点が付くのは事実ですが、80点と100点では全然違うわけで、どんな大学でも万全の面接準備をするべきだし、してきたのは良かったかなと思います。
合計
理科ー数学ー英語ー面接で140-130-140-80の490点で、共通テストの790点を加算すると1280点。英数理でここから10%、20点ずつ落ちると考えて1220点。
合格最低点
2019年の1278点が直近7年間では最も高い。共通テストが始まって以来は1183-1167-1175点である。この点数が地域枠かどうかは判然としないのだが、その場合はもれなく死ぬ。一般枠の最低点の場合は、もう1レベル失敗していてもパスする可能性があり、絶望的な状況ではない。
解答速報があまり出てこない大学なので、なんともいえないけど、受かってるといいな。木村の再受験筆記編、これにて完結。
合格通知を見て(3/8更新)
こんばんは。バトルフェイス木村です。山大から合格をありがたくもいただくことができました。勿論中堅以上の私立大(日大など)や、難関の国公立大学と比べると型落ち感は否めないのですが……それでも5教科7科目共通テストで9割近く取り、二次試験も卒なくうまくいったことには満足していますし、達成感アリです。我ながら良く頑張ったと思います。山大に進むかは未定ですが、とにかく217日間の受験勉強に一区切りがつきました。
応援してくださった皆様、支えてくださった皆様、本当にありがとうございました。
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