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『死の天使の光輪』

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初の短編小説。青年はささやかな物書きであった。彼は物語を書くために、ある廃墟へ赴く。
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#掌編小説

少女の信心

少女の信心

 その少女は朝五時に起きる。
 まだ日も昇らない中、軽い洗面を済ませ、そして自室の棚の上に置いてある簡素な祭壇に向かって、神に対してお祈りをする。今日という日を迎えることが出来たことへの感謝と平和の祈りを捧げる。こうして少女の一日が始まるのである。
 少女の考えは奇妙であった。少女は朝食を取る代わりと言って朝日が昇ると日光を全身に浴びていた。また少女は神のことについて話すのが好きであった。神は全宇

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