小麦の害について

【医者いらず食の講座1】小麦の害について

グルテンフリーという言葉が聞かれるようになった。グルテンとは小麦に含まれるタンパク質のことで、これを食べないことで健康になれるという食事及び食生活のことだ。

では、小麦の何が良くないのだろうか?
小麦を水で溶き手でこねたことはあるだろうか?ベタベタして手にくっついたりして独特の質感があったかと思う。わかりやすく言うと、小麦は人間の小腸でそのような状態になり、腸の粘膜にへばりつき様々な悪さをする。具体的には、小麦のタンパク質であるグルテンが分解されグリアジンという成分になり、それが上皮細胞と結びつくことでソヌリンというタンパク質が過剰分泌されることになり、そのゾヌリンが細胞と細胞の隙間を開け、なんでも通すようになって栄養物や菌やウイルスが漏れ出すことで身体に不調が出ると言われている。これをリーキガットという。リーキとは漏れる(リーク)の意味。

具体的には、アトピーや発達障害のような症状は、そこから引き起こされているのではないか? と言われている。なぜなら、それらの症状の子どもにグルテンフリー食を実施することで、症状が劇的に改善したという例が数多く報告されているから。

さらに、日本人にとって、小麦が身体に悪い理由があと2つある。
・日本で流通しているほとんどの小麦は、アメリカ・カナダ産のもので、遺伝子組み換えではないが、収穫時に枯らすためにグリホサートという残留性の高い農薬が使われていること、そしてタンカーに積んだ状態で日本に輸出されるが、その時にポストハーベストといって、日本に着くまでに悪くならないように、後追い農薬が撒かれ、それが残留していること
・日本人は、もともとお米を食べる民族だったのが、第二次世界大戦後、パン食や外食などで、お菓子、うどん、ラーメン、パスタなど小麦を原料とする食品が増えたため、伝統(身体)に合わない食を急激に摂る結果になり、それが糖尿病や癌などの成人病の原因だと言われていること

これらが、最初に言ったリーキガットに加えて、われわれの身体に悪影響を及ぼしていると言われている。

輸入ではなく国産の小麦を使ったり食べたりすことで、残留農薬の摂取は大きく防げるかもしれないが、最初のリーキガットや、そもそもであるお米に慣れていた身体が小麦食で不具合が出るということまでは改善できないため、小麦を一切摂らないというグルテンフリー食が注目されることになった。

冒頭でも少し書いたが、アトピーやアレルギー、発達障害の症状を抱えるお子さんや大人がグルテンフリー食をすることによって改善した例が多く、それらの体質改善の必須アイテムとなりつつある。

とはいえ、小麦はお口での食感は良く、スープや出汁との絡みも最高なので、いろいろな料理に使われ、完全に小麦を断つグルテンフリーは、パンやケーキだけでなく、パスタやうどん、ラーメンも食べられないことになり、食の楽しみの多くを犠牲にすることにもなる。しかし近年は米粉などを使ったパンやパスタなどの代替食も増えたのと、元々戦前までは、お米中心で小麦はほとんど食べなかったため、食生活を和食にすることでストレスなく食が楽しめることも可能だとわたしは考える。

病気や障害がない方でも、小麦(とくに輸入小麦)を減らすことで様々な健康効果が得られると言われている。パンやラーメンやパスタが一生食べれないと考えると残念な気がするが、回数を減らし、食べるのなら国産小麦や上質な小麦など少しでも安全なものにして量より質を高めることで、楽しい食生活が維持できる。

ともかく、戦後、メーカーの売上など様々な思惑の中で、食の西洋化、パン食の普及、お米の忌避(学校給食を考えてください)が行われてきたが、昔の日本に立ち返って、お米中心の食を取り戻すことが肝要である。

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