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はじめての生徒がライブデビューした話

先日、とても嬉しいことがありました。
私のドラムレッスンではじめての生徒(Mさん)が、ライブ演奏デビューを飾ったのです!!!

Mさんは1年前までスティックも握ったことのない、完全なるドラム未経験者。まさに「ゼロ」からのスタート。しかも年齢は40代。
そんなMさんが1年後に、たくさんの人の前で最高の演奏をしたのです。
もう、まじで感無量でした・・・。

そんなステキな経験をしたので、今回はMさんがライブ演奏デビューを成功させるまでの過程をまとめてみようと思います!


ライブデビューへの道のり①~出会い編~

Mさんとの出会いは、とあるライブハウス。
私が出演したライブにMさんもたまたまお客さんとして来場しており、ライブ後に「ドラムを教えて欲しい!」と声を掛けて頂いたのが最初のきっかけでした。

後から聞いた話ですが、Mさんは1年以上前からドラムを習いたいと思っていたけれど、色々な教室のサイトやチラシを見ても先生がどんな演奏をする人かも分からないし、男性ばっかりだしで、足を踏み出せずにいたそうです。(あ、Mさんは女性です!)

で、たまたまライブで見た私の叩きぶりが、Mさんの理想のドラム像と一致したとのこと。

その当時、私はまだドラムレッスンを開校していませんでしたが、ちょうどドラムを仕事に出来ないか色々考えている時だったので、まさに渡りに船!
奇跡的なタイミングに、即答でドラムレッスンを快諾したのでした。


ライブデビューへの道のり②~はじめてのレッスン~

さて、そんなMさんへのドラムレッスン。
初回は、右手でシンバルを刻みながら、右足と左手を交互に「ドン、パン、ドン、パン」と叩く一番初歩的な叩き方をマスターする事からレッスン開始しました。

ちょっとここから、Mさんのようなドラム未経験者に一体どうやってドラムを教えたのかについて、少し詳しく説明してみたいと思います。
(書いてみたらすっごいレッスンの宣伝みたいになっちゃいましたが、何卒ご容赦を・・・)

まず、よくドラムは「何で両手両足バラバラに動かせるの?」と言われるんですが、これは正しい順序で訓練すれば音楽の才能なんて関係なく誰だって絶対に出来るようになります。

まず、いきなり手足バラバラに動かせる超人なんてこの世にいませんので、私のレッスンでは、
・右手(ハイハット)を一定のリズムで刻みます
・そこに右足(バスドラム)を加えます
・そこに左手(スネア)を加えます
という感じで、少しずつずつパーツを増やしていって、手足バラバラの感覚を知ってもらうところからスタートしています。

そもそも日常生活で両手両足をバラバラに動かす機会って滅多に登場しないので、ドラム未経験者はただ単純に「脳がそういう動きを知らない」だけの状態なんだと私は思っています。
だから、まずは「手足バラバラの動きがこの世にあるんだよ」ということを脳に知らせるため、このレッスンからスタートしているのです。
それを脳が知るだけで、不思議と2回目のレッスンからドラムの動作がどんどん染み込みやすくなるんですよね~!

で、なんと!
ドラムの場合はこの初歩の手足バラバラ練習が少し出来るようになっただけで、もうシンプルな曲に合わせて楽しく演奏できちゃうんです!
これはドラムの本当に良いところだと思います。リズム楽器だからこその特権ですね♪

なので、初回のレッスンはまず初歩の動きを掴んでもらい、それが最低限叩けるようになったら誰でも知っているシンプルな曲に合わせて、不恰好でも全然いいので楽しくドラムを演奏してみる所までをいつも教えています。
今回演奏ライブデビューしたMさんも、60分のレッスンで最低限の叩き方をばっちりマスターしました!

【補足】
私のドラムレッスンは、「ドラムをやってみたい」「楽しみたい!」という方向けのレッスンなので、最初の基礎トレーニングみたいな事はブワーッと全部すっ飛ばして、まずは最短距離で「演奏する楽しさ」を知ってもらうところからスタートしています。
もちろんそういった基礎トレーニングも全く教えない訳ではなく、ドラムを習得していく過程の中でのちのち「基礎トレーニングがなぜ必要なのか」という事に1人1人が気付く瞬間がやって来るので、そういったタイミングを狙って丁寧に教えています(*^^*)


ライブデビューへの道のり③~1曲演奏できるまで~

最低限の叩き方をマスターしたあとは、Mさんの好きな曲を1曲通して演奏することを目標に設定しました。
Mさんはノリのいい音楽が好きな方だったので、まずはパンク系バンドの比較的テンポが遅めの曲からレッスンスタート!

1曲を演奏すると言っても、曲の中には簡単なドラムフレーズから難しいドラムフレーズまで色々出てきますので、まずはレッスン前に私が生徒のレベルに合わせたドラムアレンジを準備します。
そして、そのドラムアレンジを私が模範演奏して、譜面・動画・音源などをMさんにお渡しし、イントロから1つ1つ教えていきます。
(ちなみに、譜面が読めない方には「専門的な音符を一切使わない、演奏用の地図」みたいな物をお渡ししています)
そういったツールを使いつつ月に2、3回コツコツとレッスンした結果、Mさんの場合は2、3ヶ月で課題曲を完全に演奏できるようになりました♪

その段階で次の曲の練習に移っても良かったのですが、Mさんはバンド未経験者で、バンドに憧れを持っていらっしゃたので、最後にその曲の集大成として擬似的なバンド体験をしてもらいました。
具体的には、”私がその曲のギターボーカルを担当して、スタジオでMさんと一緒に演奏する!”というものです。
僭越ながら私はドラム以外の楽器も演奏できるので、このバンド疑似体験レッスンに向けてギターを練習しまくりました笑

やっぱり音源に合わせて演奏するのと人と一緒に演奏するのでは全っっっ然違うので、そういう経験もしてもらいたいという思いから実験的にやってみたのですが、結果、バンド疑似体験はとても喜んでもらえました!!
と同時に、ドラムの先生が一緒にギターやベースを演奏してくれるレッスンなんて普通無いよね(笑)と、Mさんのおかげで自分の強みにも気付けたのでした。

Mさんに好評だったので、2曲目以降も完全に演奏できるようになった時の「ボーナスステージ」みたいな感じで、疑似バンド体験は継続しました。
そうやってレッスンを続けて、Mさんは3曲ほど好きな曲を演奏できるようになりました!

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↑擬似バンド体験中の様子(この時私はベースを弾いてます)


演奏デビューへの道のり④~ライブ演奏への挑戦~

レッスン開始からもう少しで1年という頃、その話は突然やって来ました。
「今度のライブで、Mさんにも1曲演奏してもらおうよ」
私が参加しているカバーバンドのメンバーから、突然LINEが届きました。

え、まじで!????
いや、でもそれ、すごくいいかも知れない・・・!

レッスン発表会みたいなイベントをいつかやりたいという構想はあったのですが、私の生徒は住んでいる場所も、年齢も、レベルも、好きな音楽も様々という状況で色々と模索する中、まず最初の一歩としてこれは非常に有り難い話でした。

特に、そのバンドがアットホームなカバーバンドであること、バンドのお客さんの多くが私のドラムレッスンやMさんの事を知っていること、そして何よりMさん本人がライブ演奏へのチャレンジを表明してくれたことから、あっという間にMさんライブ演奏デビューの日程が決まりました。
※ちなみに、本番当日はカバーバンドのメンバーがMさんのドラムに合わせて一緒に演奏する、というスタイルで披露することになりました。

この時点で、ライブ当日までの残り時間は約3ヶ月。
そこからMさんと当日演奏する曲目を相談し、曲を決めてからは密度の濃い練習を一気に行いました。

ライブ演奏に向けて、まずは1曲通して演奏できるように、パーツパーツのフレーズを指導。
そして、とりあえず雑でも構わないので1曲通して演奏できるようになったら、苦手部分克服のアドバイスを行って、細かい部分をブラッシュアップしていきます。
で、ある程度クオリティが上がったタイミングからは、私が一緒にベースを弾いて疑似バンドの形でガンガン実践練習を繰り返しました。
毎回演奏動画も撮影して、振り返り分析用にMさんにもお渡ししましたね!

そしていよいよ、はじめてのバンド練習!
Mさんは私のレッスンで疑似バンド体験はしていますが、本当のフルバンド編成は初体験。
カバーバンドの練習スタジオに招かれてめちゃくちゃ緊張しているMさんの演奏を見守りつつ、演奏後には撮影した演奏動画を見ながら色々アドバイスして、なんとか無事に初めての練習は終了しました。
この時点で本番まであと2ヶ月。

最後の2ヶ月は、Mさんの苦手部分を更に炙り出してより細かくアドバイスすると同時に、「ライブに対する心構え」というか、メンタル面のアドバイスも色々しました。
特に繰り返しアドバイスしたのは、「初めてのステージで100点満点の完璧な演奏するなんて、神様でもできない!そのつもりで準備する!」ってことですね笑
なんせ、ステージには魔物が棲んでいますから!
これ、ステージに立った事がある人なら、重要さを分かってもらえると信じてます(;´∀`)
特にMさんは物凄い努力家であるが故に、初ステージでの演奏が100点ではなく80点だった場合に嬉しさより落ち込みが勝ってしまう恐れもあったので、この点については毎回毎回伝えていました。

更に更に、最後の2ヶ月では基礎練習についてもアドバイスしました。
バンドで演奏すると、「今の自分の演奏テンポは正しいのか?」ということが急に不安になったりしますので、クリック(メトロノーム)を使った練習法について色々レクチャーしました。

余談ですが、ただ与えられた練習をこなすのと、この時のように「何故その練習が必要なのか?」を身を持って知るのとでは習得具合が全っっっ然違うので、そういった事は教える側としてすごく意識しています。

結果、Mさんは自宅でもめちゃくちゃクリック練習をしたようで、テンポも非常に安定するようになりました。
あと、レッスン時間以外でも、MさんからLINEで質問を頂いたらすぐアドバイスしていました!


演奏デビューへの道のり⑤~そして本番、伝説へ~

ライブに向けた激動の3ヶ月特訓を二人三脚で乗り越えて、遂に本番当日。
Mさんの緊張もMAXです。
私は「Mさんなら絶対大丈夫!」と自信を持っていましたが、でも、先生として初めての経験なので少しドキドキ・・・。
本番まで楽しい会話で気持ちをほぐしながら、その時を迎えました。

ライブ途中のMCでボーカルがMさんを紹介し、ステージにMさんが登場。
お客さんに暖かく迎えられる中、Mさんは最高の演奏を披露しました!!!!!
はじめての生徒の、はじめてのライブ演奏デビュー。本当に感無量でした。
本番の演奏が今までで一番良かったのも、先生として嬉しかったところ!

本番終了後。
晴れやかな笑顔のMさんに落ち込む様子は一切なく、ライブの楽しさをめいいっぱい感じて頂けたようで、2人笑顔で抱き合いました(お互いちょっとウルっちゃいましたが笑)。

1年前はスティックを握った事もなく、40代という年齢からスタートしてここまで辿り着いたMさん。
その姿に、人生何事も始めるのに遅いなんてことはないんだと教えてもらった一夜でした。

Mさんと同じように、私自身も手探りでスタートしたドラムレッスン。
この経験を生かして、これからも1人1人にドラムの楽しさを教えて、一緒に成長したいと思っています!!!


最後に宣伝

そんな私のドラムレッスンですが、超クールなNEWチラシが完成しました!!!(デザインbyまりたん)
わーーーい!!!!!!!!!!!!!!

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有り難いことに、現在は生徒も7歳から70歳代まで幅広い層に増えてきております!
今回紹介した生徒はライブ演奏という目標に向かって進みましたが、もちろん生徒によって受講目的は様々。
純粋にドラムを楽しみたい人、孫と一緒に演奏してみたい人、好きな音楽をもっと深く知りたい人、運動や頭の体操の一貫として取り組む人など、本当に色んな方がいますので、それに合わせて私も一人ひとりに沿ったレッスンを行っています。

練習日時も場所も生徒の希望に合わせる超自由なレッスンスタイルですので、ご興味ある方はお気軽にご連絡くださいませー!

【1時間で叩けるドラムレッスン】
https://www.drum1h.com/

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