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トレーニングアイディアとエコロジカルアプローチ

シリーズも長くなってきました。大学ラクロスの一年は意外と短いです。テスト期間や長期休み、雨天による練習中止などあったりすると本当に短いです。限られた中でチームビルディングを行って、そのチームにあったものを選手とともに作るのは楽しいですが難しいです。常に良い結果ばかりではなりませんし。。さて、本題に戻します。

コーチの役割とは学習環境を制約を用いてデザインすることであるとエコロジカルアプローチでは述べております。代表性、タスクの単純化、機能的バリアビティ、注意のフォーカスといった原則がコントロールしてメニューを組み立てます。

特にスモールサイドゲームをいかにデザインするのかが重要です。

グランドのサイズのコントロール、人数、ボールの数、ルール、ゴールの数、高さなど、正規のゲームや既存のスモールサイドゲームにとらわれず独自のスモールサイドゲームを作成しても良い。

しかし、コーチ自身が以下の点をよく観察洞察すること必要です。
1.個人制約
2.制約を設定し、アダプティブゾーンに留まるようにコントロールする
3.制約操作の頻度を調整する

個人制約は、その人の持っている身体能力をしっかり把握することです。

例えば、体が大きい人と小さい人を必ず組むようにすると、それに合わせプレイスキルを自然と発揮します。パワーで勝てないからどうするべきか。スピードで勝てない相手に勝つにはどうするべきか。といったイメージです。

アダプティゾーンに留まる。
引き出したいSkillが引き出されているか。また、そのSkillが反復なき反復(機能的バリアビリティ)として引き出されているか。ゲームの難易度が適切かどうか。

制約頻度の調整
これは常にアダプティっゾーンに留まるように置くためです。学習に時間がかかっていれば、しばらく変えない。パターンが固定化されてきてしまったら変える必要があるし、学習が早ければ頻繁に変えていきます。
※どれだけ制約をコントロールして伝統的アプローチな指導をしていては本末転倒です。フリーズをかけて細かく指導するといったことでは、利点を引き出せません。

『学習者自身が課題に対して答えを出す』ことに意味がある。ということをお忘れなく。

最も典型的なモノはボールを変えてみる。というやつです。ラクロスの普段のボールはとても重い。実はこれが非常に重要なファクターであることは言うまでもなりません。これテニスボールのような軽いく跳ねやしボールに変えると面白いことが起こります。私として推奨しているメニューなのですが、学生からすると『扱いにくい』らしくやりたがらない。。。。結局、やめてしまう。。
この『伝えないで学ぶ』というのが非常に難しい。。練習に対するモチベーションの問題もあるかなかーと思っていますが。やはり、1部のチームと4部のチームでは学習意欲が違うというか、そこから得られるアフォーダンスの質にも大きな差が生まれているように思うのです。これもコーチの能力と言われればそうなのかもしれませんが、、、

話をもどして、、この『差』を使うトレーニングをディファレンシャル・ラーニングといいます。この提唱者によると、『人は違いによってしか学べない』とのこと。違いに気がつけても活かせ人と行かせない人がいるのはどうしたらよいのでしょう。。。と思う。

トレーニングアイディアを作るにあたって重要なことは以下の通りです。
代表性を損なわない。タスクの単純化であって、分解抽出といった部分練習にならないようにする。
ラクロスでは人数の関係やチーム内レベル差が大きいことがしばしばしあります。分解抽出した部分練習にせざる得ないことが多くあります。そのときはできるかぎりディファレンシャルトレーニングを活用すると良いでしょう。そして機能的バリアビリティを損なわないように行う。

『注意のフォーカス』を動作自体におかず、動作の効果に向ける。『正確なフォーム(縦振り)かどうか』ではなく、正確な位置(左右上下の位置がずれないよう)にボールを投げることにフォーカスする。

慣れきる前に制約を変更して、常にアダプティーゾーンをキープする。例えば、スタンディングでも足を前後ではなく、左右に開くこと。ニーリングやシッティング、片足立ちでのスローではどうか、走りながらなげる。さらにボールを変えてみるもよいでしょうし、早い段階から全員にゴーリークロスで投げてもらったり、ロングクロスで投げてみる、男子ラクロスのショートで投げてみるといったことでも、学習を促通できるでしょう。

次回は『制約』『ゲームモデル』『戦術への転用』に触れていきたいと思います。

読んでいただきありがとうございます。常に新しいコーチ先を探しています。ラクロスの中でエコロジカルアプローチを取り入れてみたい。一緒に考えてみたい。そういったチームも探しています。よかったらぜひ声をかけてください。一緒に作っていきましょう。そのうちコーチコミュニティーとかも作っていきたいですね。最近YouTubeも始めました。one play wlaxで検索してもらえると見れるかと。まだ少ないですがラクロスの解説も少しだけ入れています。でわ、また。。


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