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自治体の海外向け情報発信を成功させるため 【後編】守るべき2箇条 ~トライリンガル外国人社員の経験談~

いつも弊社のノートをご覧いただき、ありがとうございます。
今週は、ビヨンドの立ち上げから携わっている王がお届けします!

社内では社歴が最も長く、自治体様とのお付き合いが最も多いので、日本の自治体様が行う海外向けの観光プロモーションのいろいろについて書いてみました。

前編では、技術的な部分は置いておいて、「考え方」という根本的なところからお伝えいたしました。

前編「自治体の海外向け情報発信を成功させるため避けるべき2箇条」は
こちら

是非一読ください!

後編では、技術的な話をシンプルで誰でもわかりやすくご説明いたします。自治体の皆様にとってご参考になれれば幸いです。

1、情報が届くように祈るのではなく、確実にターゲットに届けましょう!

 誰でもわかっていることですが、誰でもできていることではないです!

①ウェブサイトについて

海外向けの観光情報発信と言いますと、「観光情報サイトを多言語化する」ことを考えると思いますので、最初にお話します。

前編では、多言語サイトがあるのに海外のユーザーの目に触れていないことが多いなど、よく見かける問題点をピックアップしてお話ししました。
後編では、解決方法をご紹介します!

多言語サイトを作ったら、海外のユーザーに見てもらう施策を打ちましょう!

最も知られているのは、SEOではないでしょうか。
インターネットユーザーを、Googleなどの検索エンジンを通してウェブサイトに集客するための施策です。海外向けでも同じく、特定の言語の特定キーワードを検索したときにその検索結果の上位に表示されることでターゲットとなるユーザーを自社サイトに呼び込むことができます。

外国人に知られていない地名は検索されない!どうしたらいい?

前編では、Google Trendsで地名の人気度を調べる方法を共有いたしましたので、まだ試していない方は、是非試してみてください。

まだ知名度が低く、SEOでは集客が難しい場合、積極的にターゲットの目に触れやすい方法で情報発信をすべきです!


最も簡単にできちゃうのはSNSです!


② SNS について

世界中にSNSの種類はたくさんあります。日本から海外向けの情報発信するのは、Facebook、Instagram、YouTubeがおすすめです。

理由その一:ユーザー数が圧倒的に多い点

世界中で最も利用されているSNSを活用してプロモーションをしますと、より多くの人に情報を届けることができます。

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※データ元:Published by Statista Research Department, Sep 10,2021


理由その二:検索されなくても、プッシュ配信することで情報を見せることができる点

積極的にFacebook、Instagram、YouTubeアカウントを運営している自治体も企業も多いですが、毎回投稿する記事・動画は、どれほどの外国人に見られてるのかは肝心なところですよね。

これらの公式アカウントの場合、ウェブサイトと若干性質が似ていて、アカウントの存在を知らないと、検索することもなく、フォローすることもなく、投稿を見ることもないです。

ウェブサイトのSEOと根本的に違うのは、検索されることを待つのではなく
プッシュ配信でユーザーに情報を見せることができる点です!

Facebook、Instagramの場合、ユーザーが家族、友人の投稿を見たり、フォローしているページの投稿を見たりする際に、それらの投稿の間にこのような広告を差し込むことで、ユーザーの目に触れさせます。

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※データ元:株式会社BEYOND英語Facebookページ「JAPAN Concierge

YouTubeの場合、ユーザーが見る動画が再生される前、動画が再生される間に広告を差し込んだり、ユーザーの目に触れる位置に動画を出すなどで、動画の露出を増やしていきます。
そして、これらの広告は、誰にでも表示されるわけではなく、ビッグデータを活用して、広告の内容に興味関心を持つであろうユーザーだけに配信されます。

なぜそんなことができるか?下記理由三をよ~くお読みくださいね!


理由その三:ターゲットを絞って配信することで広告の精度が高い点

億単位のユーザーに満遍なく広告配信するとなりますと、広告内容にまったく興味関心を持たないたくさんのユーザーにも配信されますので、砂漠に水、無駄打ちが多くなりますので、広告費が高くなる一方ですが、広告の効果が低くなります。

ここで狙い撃ちができる広告は重宝されますね!今日は、自治体の海外向け観光情報発信に最も適するFacebookターゲティング広告を重点的にご説明します。

Facebookターゲティング広告は、Facebook社が保有する28億人のユーザーのビックデータを活用し、地域、年齢、性別、興味関心、行動パターンなど、ある一定条件に満たすユーザーに絞って、ピンポイントで配信する広告です。

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Facebookを使われる方なら、きっとニュースフィードでこのような広告を見たことはありませんか?

一例をお見せします!

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上記の画像は直近で弊社が開催する予定のオンラインセミナーの広告で、海外のテレビプロモーションについての内容です。

我々は、このセミナーに日本全国の自治体担当者様、観光施設のプロモーション担当者様、海外向けのプロモーションニーズのある企業の担当者様などに参加していただきたいです。

そのため、ウェブ広告、メディア広告、マーケティング戦略、ブランディング戦略、インバウンドマーケティングなどに興味関心を持つユーザーに絞って広告配信をしています。

 
こうやって、ターゲットをしっかり絞って配信することで、毎回集客を実現し、たくさんの自治体と企業の海外向けブランディングプロモーションのお手伝いを行っております。まだ取り組んでいない自治体の皆さんも是非、コロナ終息後を見据え、実践してみてください。


③発信するコンテンツについて

前編では、なんとなく動画を作って写真を撮ってあるものの、見てもらえないと意味がない話をしました。今回は、動画、写真などをどうやって海外へ拡散して行くかについて、具体的にご説明します。

先ほどSNSについて、たくさんお話しましたので、もう皆さん、お分かりですよね!
SNSでしっかりターゲットを絞って、その動画、写真に興味を持つユーザーに配信するんです!

弊社が実際に配信した動画の結果をみてみましょう!
京都に近い観光地のPR動画を欧米豪、アジアの英語ユーザー、且つ、京都周辺観光中、或いは京都に来る見込みの高い方々に絞って配信した結果です。

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※データ元:滋賀県大津市公式Facebookページ

80万人に動画を届け、60万回以上の再生を獲得しただけでなく、約10,000のいいね、約2,000回のシェア、そして1,300以上のコメンが寄せられていました。中には、京都・大阪から大津市のアクセス方法を聞く人、動画に出ていたサイクリングについての問い合わせなど、具体的な質問もたくさんありました。

観光地の認知度の向上だけでなく、実集客にも繋がりました!

2.情報発信は自己満足ではなく、ターゲットに満足させましょう!

なんとなく情報を出すのではなく、しっかりマーケティングリサーチをして、ユーザーが欲しい情報、ターゲットの目に留まる、心に刺さる情報を出しましょう!

①ウェブサイトについて

前編では、日本の自治体多言語観光サイトに多くみられる問題点を幾つかあげましたが、今回は、どうすれば外国人にわかりやすく、使い勝手のいいサイトができるかをご説明します。

実は、難しいようで簡単です!
「ユーザー目線」で作ればそれなりにわかりやすく、使いやすいものになります。

まずは、Google翻訳で日本語のページをそのまま多言語に訳すことをやめましょう!
写真に入っている日本語などはまったく翻訳されませんし、通じないものが多いので、外国人が見るモチベーションが下がり、離脱しやすくなります。

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次は、日本人ではなく、外国人クリエイターに任せてみましょう!
日本人と外国人のサイトの見方は違いますし、クリエイティブ選定のセンスなども違います。日本には、優秀な外国人クリエイターがたくさんいます。彼らの力を借りて、見る人の目線に合わせて作りましょう!

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最後に、サイトオープン前に外国人ユーザーに実際使ってもらって、改善点を洗い出して、よりよくしていきましょう!

この時代は、オンラインでいろいろとできます。
弊社は自社メディア上で外国人に各アンケートをとったり、Zoomで繋いでテーマを決めて座談会を開催したり、オンラインイベントで外国人と交流を行い、ポスターやサイトなどの内容、観光地の人気度、ツアーニーズなどについて調査することも多々あります。やはり、「日本人と全然好みが違うとこと」や、「意外とそっちを選ぶんだ!」と、毎回驚くことがあります。

このような調査ニーズをお持ちの自治体さんがあれば、気軽に相談して、是非一緒に解決していきましょう!


②SNSについて

前記のウェブサイトと同じく、ターゲットについてしっかりリサーチしたあと、SNSマーケティング方針を策定し、アカウントのコンセプトを決め、コンセプトに沿って、運用していくことが大事です。

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そして、ネイティブにわかりやすく、興味をひきやすい記事を作成しましょう!
日本語の記事をそのまま翻訳すると、かたくて、面白くないことが多いので、表現したいポイントなどをしっかり飲み込んで、理解したネイティブライターが執筆すると、いい記事ができますよ!

③クリエイティブについて

前編では、なんとなく作った動画をYouTubeにも、Facebookにも、Instagramにも流用することが多くみられることを言及しました。

では、どうすればいいかというまでもないのかもしれません!

YouTubeに載せる動画、Instagramに載せる動画、テレビCMに使用する動画、尺も、見る層も、目的も、出口(受け皿)も違います。当たり前のことで、それぞれ最適な動画を製作するべきですよね!
載せるプラットフォーム、ターゲット、目的、用途などによって、写真、動画、バナーなどのクリエイティブも変わりますよね!

この当たり前のことは、できているところが少ないのではないでしょうか?

もちろん事業に合わせて、その都度動画製作が難しい場合もあります。予算を節約するためにも、できるだけ動画を流用したい気持ちはわかります。

その場合、長編動画を作る際、ダイジェスト版も合わせて作ることをお勧めします。そして、今後再編集できるように編集前の元データも合わせて納品してもらうこと、二次編集・二次利用の権限をもらうことで、ある程度将来的には流用しやすくなります。

そして、クリエイティブも前述した通り、ターゲット目線に合わせて作ることが大事です!
外国人ディレクターや外国人クリエイターなどを起用することで、クリエイティブのテイストはだいぶ変わり、海外目線にピッタリのものができます!

長い記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

前編の「避けるべき2箇条」と今回の後編「守るべき2箇条」をしっかり理解して頂いて、これに沿って行えば、海外向けの情報発信は失敗しないはずです!

おかげさまで9月1日に、弊社は無事5回目の創立記念日を迎えました。
新しいメンバーも増え、新しいサービスも増え、もっともっと日本の観光プロモーションに貢献できることを目指して頑張っています!

私の社員紹介記事もよかったら一読ください


では、また次回お会いしましょう!


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ビヨンドではこれからも地方のデジタルマーケティングに対するお悩みをトータルで解決できるマーケティング総合商社を目指して活動してまいります。

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