動物も人間も極端な暑さに耐えられるようにつくられていない

下のギズモードの記事もあわせて読んでもらえるとよりわかりやすくなります。

5月初旬からはじまった熱波(3週間くらいヒートドームが居座った)と干ばつによって、気温が40度を超えたメキシコで、中南米の樹上で生活するホエザルが木から落ちてたくさん死んでいるのを現地の人が見つけました。

発見当初は、80匹以上のホエザルが熱射病で脱水症状を起こして木から落ちて死んでいました。その場で死んだホエザルも。

5月末の時点で、157匹のホエザルの死亡が確認されています。他の種類のサルを加えると、その数は200匹くらいになるそう。

治療のかいあって元気を取り戻したホエザルの中には、本来の暴れん坊ぶりを発揮して治療にあたっている人にかみつく個体もいるそうです。

専門家は、ホエザルの大量死に気候変動も寄与していると話しています。干ばつのメカニズムはちょっと複雑ですが、熱波は温暖化によって激しさを増しています。土壌や植物が乾けば、さらに気温は上昇します。

気温が50度近くまで上昇しているメキシコは、3月頃から断続的に熱波に見舞われていて、3月中旬からの人間の暑さ関連死は60人を超えています。昨年の同じ時期と比べて12倍超にのぼっています。

人間も動物も、気候変動の影響を受けた気象災害に脆弱(ぜいじゃく)な存在がより傷つきます。暑さと干ばつで水源を失ったホエザルは、数週間続く熱波に耐えられる種ではありません。

温暖化が続く限り、絶滅の危機に直面する、というか、絶滅する生物種もまた増え続けます。

人間も、社会経済的に弱い立場の人は、裕福な人に比べて暑さに耐えられるリソースを持っていません。パナソニックの世論調査では、43%の人が去年以上の暑さが予想される今夏のエアコン利用を「我慢したい」と答えたそうです。したくてする我慢じゃありません。生活苦で我慢せざるを得ない人がたくさんいるということです。無理な我慢の行き着く先は、最悪の場合、死です。

そんな折(その1)、政府は5月末で電気・ガス代の負担を抑制する補助制度を終了。電力10社は7月分の電気代を昨年同月比で14.4%~46.4%値上げすると発表しています。リンク先の時事通信は「値上がりする」と書いていますが、電気代は勝手に値上がりしません。電力会社が値上げするんです。

そんな折(その2)、東京都は「上手にエアコンと扇風機を使いましょう」などとワケのわからない呼びかけを行なっています。「今年の夏は沸っとう京」とか、すっとんきょうなことまで言い出す始末。こっちの頭が沸騰しそうです。

生活感のない恵まれた人たちが組織を動かすとただでも社会構造的に弱い立場に追いやられている人たちがさらに追い込まれてしまいます。最悪の場合、待っているのは、死です。

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