好きって伝えてきましたか?
目が覚めたら、可愛い寝息と甘い香り。隣にぷっくりした小さな手があって『あぁ、可愛いなあ。大好きだなぁ。』
前から読みたがっていた本を友人に貸してあげたんだけど。「おぉ!!これ読みたかったやつ!ありがとう!大好き!」って軽くハグされてさ、『あ、好きかも…』
カフェで仕事の合間に一休み。いつも大切な考え方を教えてくれる。押し付けがましくなく、自分の経験と価値観を分けてくれる。夢を語るあなたの真剣な表情と、たまに見せる微笑みに『…好きだな…』
西陽が強く当たる学校の昇降口。眩しすぎて見えないのか、溢れる涙で見えないのか。仲良さげな姿を見送る、いつの間にかぼやけて影が一つになる。『すきだったのにな。』
今日は全力で楽しむ!死ぬ気で参戦する!そんで、いつもありがとうの気持ちをメンバーに返すんだ!待って待って待って!ヤバイヤバイヤバイ!尊死する、尊すぎる、神様仏様!あぁぁぁああ生きてて良かった『すーーきーーーだぁぁぁぁぁああああ!!!!』
事実を知りもしないで一方的に責めてくる。反論なんかできない。無勢に多勢、勝ち目なんかない。そう思っていたのに、その一言で守ってくれた。『…くそぉ、好き』
行ってらっしゃい、って見送ってから18年が経つ。元気ですか。どこに居ますか。幸せですか。食べてますか。わたしを覚えていますか?『お父さん、大好きだよ』
あなたは、その『好き』を伝えましたか?
私は、伝えなかった。
伝え方を間違えた『好き』もたくさんあった。
好きな人に『好き』と言える幸せ。
好きなものを『好き』と発言できる幸せ。
その瞬間に良いも悪いもなく、湧き上がった感情として受け入れて欲しい。
好きって、実はとても儚くて、尊くて、一瞬で消えてしまうような脆さもあり、だから本当の好きは簡単には言えない。
発すると消える言葉は、その対象へ届かなければただの音でしかない。
伝えたくて、伝わってほしくて、頑張って、それでも届かない『好き』は相手にとって悪意になってしまうこともある。
この気持ちは毎回初めてのはずなのに、過去の経験から計算高くなり、よりよく届けようと最短距離を図り出す。
そうじゃない。
今、感じている『好き』は、あなたが今日の自分になって初めて感じているもの。
過去から続いている思いであっても、今この瞬間にアップデートされているんだ。
「好きなものは、好きのままでいいんだよ!!」
と11歳の少年が新幹線について語っていましたが、まさにその通り。
大人だから、女だから、男だから、子どもだから、できないから、身分が違いすぎるから、伝わらないから…
そうじゃない。
理由つけんな。肩書き外せ。
心の奥底で灯っているその『好き』の火種を消さないで!!
だから、小さく燃えてる『好き』がある人の味方になりたいって思ってる。
いつかその火種を持ち寄って、焚き火しながらマシュマロ焼いて、笑い合える仲間になれたらなって思ってる。
あぁ、好き。
好きだー。
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