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ワークショップ実施記録(京都芸術大学アートプロデュース学科 ワークショップ型講義プログラムの記録)①

プログラムデザインのこととファシリテーターとしての振り返り。

実施日程:2021.9/1-9/3 (3日間連続講座)

参加者:約10名

■このワークショップは、誰に向けて、どんな目的で行ったか

誰に向けて:
京都芸術大学アートプロデュース学科の主に2年生以上を対象にした1日5コマ×3日間夏季集中講座

実施目的:
実践の場でのワークショップを経験してもらうことで、ワークショップと社会のつながりを感じてもらう

この講座の目標:
・ワークショップのデザインとファシリテーションについて、自分なりに言語化する
・ワークショップデザインについての理解と考察ができるようになる
・ファシリテーションに必要な能力の理解と実践による技術的な学ぶ
・ワークショップデザイン、ファシリテーションの現場での活用例を知り、どのように活かしているか分析できるようになる

■このワークショップを通じて、何が起こって欲しいか

リアルの場での協働と、その人なりのコミュニケーションのクセに気付くこと、また場への関わり方についての考え方について前向きに更新していってもらうこと

目的などは上記としては、プログラムを構成の段階では大きくは3つを考えていて、
1つめは、ワークショップの体験を通じながら、教育や社会とのワークショップの関わりについて知ったり考えてもらうこと
2つめは、リアル実施ならでは協働や人との距離感の体感(現状でできること、オンラインとの違い、オンラインで置き換えできることの差異)
そして3つめは、ワークショップ観やファシリーテーション観の更新していってもらうことを考えながら、構成していきました。

■内容

各日、時間割通りを基本的には意識して実施
1コマ:9:30-10:50
2コマ:11:10-12:30
3コマ:13:30-14:50
4コマ:15:10-16:30
5コマ:16:50-18:10

《1日目》

9:30-9:45 導入

・この期間を通してやることの説明
・この講座の参加について
・注意事項(水分補給、アルコール消毒、お手洗いなど)

僕にとっての参加者のことを「知りたいタイム」でもある。
受講生のこれまでの取り組み、ワークショップイメージ、どうして受講してくれたのか、みんなお互いにどれくらい知っているのか、など。

9:45-10:10 導入2

・4つの窓(呼ばれたい名前/今の気分/夏の思い出/この講座に期待すること)
・ランダムウォーク→ペアになって話す×2
・2回目のペアで話してもらってから他己紹介

とにかく、まずは動かす。(体験第一)
そのために、ランダムウォークをした。ある程度知り合いでもあり、少人数で話すことでこの場へのチェックインの意図も込めて、全体での自己紹介はこの段階でしないことに。

10:10-10:50 アクティビティ1

・キャッチボール(名前を呼んだら投げる)
 1→4つまでボールを増やす

コミュニケーションの本質。パスとキャッチ。これを丁寧に積み重ねること。慣れている人とは不要なことでも初めての人とはこの積み重ね。人によってパスの出し方が違う。また気持ちの余裕のあるなしでも、パスの出し方が違う。どうこの場に自分がいれるか。その人のコミュニケーションのクセも出る。
また、ここでいったんやってみての気づきの振り返り。
ワークショップデザインについて、俯瞰して考えてもらうために、アクティビティごとに振り返りをこまめに入れていく。

■20分休憩■

11:10-11:35 ミニ講義

・ファシリテーター自己紹介
・ミニ講義(ワークショップってなに?)

改めて、ぼくの自己紹介でどんな人かを話す。1コマにしても良かったけど、流れ上、2コマにいれた。
そして、導入として体験してもらったことを踏まえつつ、「ワークショップってなに?」「ファシリテーションってなに?」ということを話して、リーダー像についての話も交えながら、この3日間をどういう時間にしていくかを話す。

京都芸術大学_アートプロデュース学科夏季集中2021

11:35-12:30 アクティビティ2(みる・きく・ふれる) 

・コミュニケーションの要素を分解したワークを実施。本日のメインの1つ。

●実施したアクティビティ
・コミュニケーションの交換として相手をみる、ふれる
 拍手回し
 アイコンタクト回し
 歩きながらアイコンタクト→ひじタッチ→かけ声の追加
・場を広くみる
 ウインクキラー
・協力して広くみる、きく
 椅子取られないゲーム

キャッチボールを先にやっていたのは、ここへの導入。
ひじタッチの掛け声は、参加者から自然に発生したので、それを追加ルールとして拾った。自然発生するものは面白いので、拾えるものは拾ってみる。この辺りは、場をホールドする感覚。

ここでお昼休憩

13:30-14:00 午前のワークの振り返り

・2人で振り返り(10分)
・グループに分かれて振り返り(20分)
→どんなアクティビティをしたかの書き出しと、その時に感じたことをグループで書き出したり話したりしながら振り返り。書けたらお互いのグループを見合う

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3日目に向けてと、こまめに振り返りをいれる意図があった。3日間、かなり詰め込むことになるので、覚えている内に振り返り。
また、午前もたくさん動いて、ご飯の後でもあるので、若干眠気が来る時間帯。なので、人と話したり、手を動かすことを入れる。

14:00-14:50 アクティビティ2の続き(イメージの共有)

・キャッチボール
・大縄
・言葉当て
(途中5分休憩を含む)

ここでも、アクティビティごとに細かく振り返りを入れていく。全員が言わなくてもいい。言いたいなとか、感じたことを教えてくれる人はお話してください、という投げかけ。言葉になってる人もなってない人もいていい。
言葉になっている人は言うことで自分の頭の中が整理できるし、言葉になってない人も、感じていることがあれば、他の人が言葉にしてくれたときに「わたしも」と感じたり、考えが整理できればいい。

■20分休憩■

15:10-16:05 アクティビティ2のラスト(イメージの共有)

・ステータス
全体でやる場合と2グループに分けての実施で、合計3つのパターンでの実施。
実施後にやってみての気づきの振り返り。

■10分休憩■

16:15-16:30 ミニ講義

・ワークショップのプログラムデザインと目的とは?
・若者のコミュニケーション能力についての話(社会から求められている「コミュニケーション能力とは」)

ワークショップを実施するときに、ワークショップをやることが目的となっては本末転倒であるし、良い場にするためにも「プログラム・場作り・ファシリテーション」の3つは大事。
そして、誰に向けてどんな思いを持って行うか、何が起こってほしいかを考えて設定することは必要であるが、同時に「一回のワークショップで教えなければいけないことは何もない」というようなプログラムの柔軟性について。動的判断と場を見る話。

■20分休憩■

16:50-17:20 午後のワークの振り返り

・2人で振り返り(10分)
・グループに分かれて振り返り(20分)
→午前の振り返りと同じ流れ。メンバーは異なる。
どんなアクティビティをしたかの書き出しと、その時に感じたことをグループで書き出したり話したりしながら振り返り。書けたらお互いのグループを見合う。

17:20-17:30 まとめの時間

・今日のまとめと提出課題について

17:30-18:10 本日の振り返り(個人ワーク)

これまで書き出したりグループで話したことを踏まえながら、最後は個人でワークの内容を振り返り、考えたり学んだり感じたことを言語化してもらう時間をとる

●1日目振り返り
全体的にやりたいことの5分の4くらいはいけたのでは、と思う。そして、それで十分だと思っている。元々の予定とアクティビティの順番を変えたり、話すことを前後させたりしたが、今日のテーマとして考えていたことはやれているし、全部やっていたら詰め込みすぎていたと感じる。(1日5コマの体感として)
演劇要素のロールプレイで、さらに場が弾けていたらテキストを使っていくアクティビティも増やしてもいいと感じるが、テキストにいくよりは、身体も使いながらのコミュニケーション系ワーク(即興など)の方が楽しくやれそうな雰囲気だったのでワークの組み立てをそのようにした。(テキストも準備はしていた)
みる・きく・ふれる・イメージを共有するとコミュニケーションの要素を分解して体験していくアクティビティは今日でいったん終わりで、明日はさらにこの要素を発展させながら行っていくものを実施する。
この授業も何するんやろと不安でドキドキしながら来たという学生さんも多かったと思いますが、楽しんでくれていて良かった!

2日目と3日目も書いていましたが、長くなってきたので、いったんここで区切って、別記事にあげます。

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