【大量発生中】人を動かせない管理職
■時代は移り変わり、戸惑うオジサンたち
筆者と同世代(アラフィー)の人たちは、その多くが管理職になっているかと思われます。商売柄、そのあたりの方と仕事をさせていただくことが多いのですが、ある傾向が見られます。
それは「人の動かし方を知らない」ということ。
■僕らは恐い上司のパワーで育った世代
我々が新人の頃は、弾けたバブルの余韻が残っていました。そしてまだ、パワーがハラスメントではなかった。筆者は、ある企業の財務部門に配属されましたが、そこのボスがまー恐かった。
何をやっても怒る。怒鳴る。ちゃんとやってても怒るし、何なら怒るネタを探してきて、怒る。
こちらも先読みして、両腕で必死にガードしてみても、あらぬ方向からボディブローが飛んでくる。そんな感じでした。
つまり、僕らはパワーで動かされてきた世代。上司が怖くて、怒られたくないというモチベーションで仕事をしていた。
■僕らを育てたパワーはもう使えない
時は流れ、人を動かす立場になったけど、今となってはパワーは使えない。でも、それ以外に人を動かす術を知らない。
もはや、どうしていいかわからなくちゃってるんですね。
だから、自分でできることは自分でやっちゃう。次の人が育たない。
当然一人では限界が来て、行き詰まって、イライラして、結局パワハラチックな言動に陥ってしまう。
こんな現場を、いやというほど見てきました。
■必要なのは「勇気」と「思いやり」
これはもう構造的な問題でもあり、ある程度は仕方のないことかもしれません。が、それで諦めてしまったら、何も残りません。
今の時代に、人を動かすためのキーワードは、「勇気」と「思いやり」です。
「勇気」は、いかに人に任せられるか。自分でやった方が、間違いないのかもしれないけど、任せてケツは持つという「勇気」です。
「思いやり」は、未熟な相手に、どこまで根気よく教えられるか。相手のレベルに合わせて、わかりやすく伝えるのが「思いやり」です。
■どちらかに偏ってもダメ
「勇気」と「思いやり」を発揮するのが、イマドキのマネジメントだと、筆者は考えています。ただ、どちらかに偏りすぎてもダメで、バランスが肝心です。
任せる「勇気」だけだと、ほったらかしになってしまうし、「思いやり」だけだと人が育ちません。「程よく教えて、適度に任せる」ことが、管理者に求められる態度です。
■have to から want to へ
かつて仕事は、やらされるものでしたが、もはやそれでは人は動きません。いやなら辞めて終わりです。
やりたいからやる。やりたくない仕事はやらない。それをパワーでやらせようとすると、ハラスメントで訴えられる。
正直なところ、筆者も世知辛いとは感じていますが、時代の流れは受け止めざるを得ない。
共に働く人の素養、適正、志向を見極めて、現実の仕事と本人のwant toを結び付けてあげることが、管理者の新しいテーマです。
難易度は、めっちゃ高いです。
がんばろう、アラフィー。
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