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9.伊豆合宿@大室山の麓 ~脳出血を患った旅行会社社長が一組限定宿をつくるまで

大室山。
思っていたよりすごく良い!
ドライブしていると突然視界に現れる、堂々としたま~るいシルエット。
それだけで心がゆるむ。
国の天然記念物に指定されている大室山は、2月の山焼きから新芽を出し、夏には灼熱の太陽を浴びて緑のカーペットをゆらゆらなびかせる。山頂は風が吹くと本当にすがすがしい。
僕たち別邸プロジェクトチーム7名は、大塚夫妻の一時帰国にあわせて7月下旬、別邸敷地見学と盛りだくさんのミーティングのために、伊豆視察を実施した。
当初千春さんが、コストを抑えるために予約したエアビーが、二段ベッドありの寝室選び放題の部屋だったからか、いつのまにか「合宿」と呼ばれていたが、結局普通の温泉旅館に予約変更。この際だから合宿でいきます!

まずは蕎麦打ち体験の食事処でランチ合流。いつものzoomから抜けだし、初顔合わせだ。ちょっと緊張しながらもおいしい天城産のわさびをすりおろしながら蕎麦を食べ、徐々に打ち解けていった。

石臼から蕎麦を挽く体験講座をちょっと見学

続いていよいよ別邸の敷地へ。なんと、NPO伊豆の風の杉本理事長さんが快く現地にお越しくださり、未来の無農薬畑のイメージを膨らませてくださった。建築士のふたりは草むらに分け入って現地調査に挑んでいる。
見上げると、大室山のシルエットが目に入るのだが、さすが大塚夫妻は目の付け所が違う。電線が気になる、と開口一番。日本では電線むき出しの風景は見慣れているが、大塚夫妻の住むドイツではそのような景観をぶち壊すものはレアなのだろう。これで課題が一つ生まれた。いかに別邸からの視界から電線を除外するか?
また、国立公園内にあるので伐採する木は極力少なくしなければいけない、塀で外構を囲んではいけない、屋根や外壁の色の指定など細かな規制があるようだ。
いろいろな宿題を抱えながら、僕たちは宿泊予定の修善寺へ向かった。
ここもまた名前の縁があるというのがおもしろい。どこまでいっても縁続きだ。
夜はまじめな2次会、12時を回るまで話し合いが続いた。僕の脳はオーバーワーク、疲弊気味だが、皆遅くまで良くがんばった。

宿泊した宙 SORA(そら)渡月荘金龍で初めての集合写真

(前日は誰もが夢中で写真撮るのすっかり忘れていた・・)

翌朝は、予定変更し、大室山登山リフトへGo.これが思ったより手軽で爽快で良かったのだ。

火口跡ではアーチェリーができる
伊豆七島が一望できる絶景
この丸さにひかれます
伊豆高原ビューをバックに

想像以上に楽しんだ大室山リフト体験の後は、宿のネーミングやコピーを一生懸命考えてくれた方の別荘をたずねて、皆でプレゼンを聞く時間を過ごした。こちらの別荘から眺める海、おだやかな涼風、なんとも心地よくて、これが宿の名前に込められた原風景なんだと実感する。

真理子さん、ありがとうございました

伊豆高原を後にし、最後のミッション、熱海保健所へ。
ここで建築士のふたりが宿の説明、交渉にあたった。当初の話とは違い、皆カウンター越しに1時間ほど立ったまま保健所の担当者の話を聞いた。
別邸敷地から10分マスト問題、チェックインスペース問題など、検討案件が明らかになるも、特に大きな懸案事項はなかったように思う。

3名の担当者による説明を順番に受ける
図面を見ながら説明するsola建築士
左から愛子さん、僕、森さん、治子さん、一樹さん

7月29日17:00を前に、今回の全行程終了。
みんな暑い中、本当にお疲れ様でした。別邸のためにどうもありがとう!に尽きる。
僕に代わって長距離運転してくれた森さん、感謝しています。
何かが決まったかと言えば、特に大きな決断には至っていないけれど、まずは顔を合わせて、皆思うことをざっくばらんに言葉にする、そこからじゃないかなと思っている。唯一無二のいい宿をつくるために、皆一丸となってがんばろうという意思確認ができた。伊豆の風を肌で感じながら。大室山の神秘に包まれながらね。
→10.平屋建ての決断