法律

勝手に教育基本法を意訳してみた

 こんにちは!子どもと共に未来を育む 共育コンサルタントの金澤です。

 先日Twitterで、「学校は子ども預けるところだろ?」と言われて呆然とした、という話が上がっていました。それを見て、教育基本法のことを思い出した私。

 教育基本法には、「子どもの教育には家庭が最も重要な責任を持つ」と書いてあります。

 ただ、よく考えてみると、教育の基本を表した法律なのに、あんまり内容ちゃんと知らないなあ・・・と思って、読み直してみました。

 そうしたら、改めてめちゃくちゃ勉強になりました!例えば・・・

・日本の教育では新しい文化を創造する教育を推進する、と明記されている

・環境保全や国際社会の平和と発展なども教育の目標、と明記されている

・生涯に渡って学習することが大事、と明記されている

・生徒が自ら進んで学習に取り組む意欲を高めることが大事、と明記されている

・学校と家庭と地域住民の連携が大事、と明記されている

 この辺り(特に学習に取り組む意欲の話)、日々の現実やニュースを見ていると必ずしもそうなっていないことがあって、課題だな〜どうにかしないとな〜と思っていたのですが・・・全部教育基本法にすでに書いてありました。(多くは平成18年(2006年)の教育基本法改正で追記されたり新設されたりしているものです)


 これちょっと感動したので、ぜひみなさんにもシェアしたいなと思ったのですが、法律用語って難しいですよね・・・読む気なくすんです。

 そこで、私なりに教育基本法を意訳してみました!少しは読みやすくなっているかと思います。

 なるべくわかりやすくなるように書いていますので、内容的に少し足りない部分が出てくるかもしれませんが、ご容赦ください(^◇^;)

大元はこちら:教育基本法(文部科学省ホームページより)



前文

・日本は世界平和と人類の福祉向上への貢献を目指しています。

・日本の教育は、こんな人の育成を目指しています。
 (1)個人を尊重する人
 (2)真理・正義を心から願う人
 (3)公共の精神を大切にする人
 (4)豊かな人間性と創造性を備えている人

・こんな人の育成を通じて、伝統を受け継ぎ、新しい文化を創造する教育を推進していきます。

・この法律の目的は、日本の未来を切り拓く教育の基本の確立と発展です。

第一条 教育の目的

・教育の目的は「人格の完成」です。

・そのために、平和で民主的な国・社会を作るための、心身ともに健康な国民の育成を目指します。

第二条 教育の目標

・第一条の目的を果たすために、学問の自由を尊重しながら、これらの目標を掲げます。

 (1)幅広い知識と教養、真理を求める態度、豊かな情操と道徳心、健やかな身体を養う
 (2)個性を伸ばし、創造性を培い、自主自律の精神と勤労を大切にする態度を養う
 (3)正義と責任・男女平等・自他の敬愛と協力を重んじて、社会の形成や発展に寄与する態度を養う
 (4)生命と自然を大切にし、環境保全に寄与する態度を養う
 (5)伝統文化を尊重し、日本と郷土を愛すと同時に他国も尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う
 ※ここ、簡単に書けませんでした・・・

第三条 生涯学習の理念

・人格を磨いて豊かな人生を送れるようになるために、一生の中でどんなときでも、どこにいても学ぶことができて、その成果をきちんと生かせる社会の実現を目指します。

第四条 教育の機会均等

・国民は、能力に応じた教育を受ける権利を等しく持っています。

・国や自治体は、障がいを持っている人に対してその状況に応じて、十分な教育が受けられるような対策をする必要があります。

・国や自治体は、経済的に苦しい人には奨学制度を作る必要があります。

第五条 義務教育

・保護者は子どもに普通教育を受けさせる義務があります。

・普通教育の目的は、社会で自立的に生きる基礎と、社会で必要とされる基本的資質を養うことです。

・国や自治体は、この義務教育の機会を確実に作り、その水準を確保する責任があります。

・国や自治体がやっている義務教育に授業料は必要ありません。

第六条 学校教育

・法律上の学校は、国・自治体・法律で決められた法人の三者だけが作れます。

・学校では、教育の目標が達成されるよう、組織的に教育を行う必要があります。

・学校では、教育を受ける人(生徒)がルール・モラルを大切にして自ら進んで学習に取り組む意欲を高める、ということを重視する必要があります。

第七条 大学

・大学には目的が二つあります。
 (1)学術の中心として高い教養と専門的能力を培うこと
 (2)深く真理を探究して新たな知見を創造し、その成果を広く社会に提供して社会の発展に寄与すること

・大学は、それぞれの教育や研究の特性が尊重されます。

第八条 私立学校

・私立学校は教育において重要なので、国や自治体はその自主性を尊重して、助成などの方法で私立学校を応援する必要があります。

第九条 教員

・教員は、自分たちの仕事が崇高な仕事だとしっかり自覚して、絶えず研究・勉強して頑張りましょう。

・教員は重要なので、身分が尊重され、適正な待遇を受け、養成・研修が充実させられる必要があります。

第十条 家庭教育

・保護者には子どもの教育について最も重要な責任があります。

・保護者は子どもに対して、これらのことが身につくよう努力しましょう。
 (1)生活のために必要な習慣
 (2)自立心
 (3)心身の調和のとれた発達

・国や自治体は、家庭の自主性を尊重しつつ、保護者が学ぶための機会や情報提供などの支援をする必要があります。

第十一条 幼児期の教育

・幼児期の教育は、人格形成の基礎なので重要です。

・国や自治体は、幼児の成長のため良好な環境の整備など、様々な方法で努力する必要があります。

第十二条 社会教育

・国や自治体は、社会で行われる教育を応援する必要があります。
※「社会で行われる教育」の定義は明記されていない

・応援する方法としては、図書館・博物館・公民館などの設置や学校施設の使用、学習機会・情報の提供などです。

第十三条 学校、家庭および地域住民等の相互の連携協力

・学校・家庭・地域住民などの関係者の三者は、教育において重要なので、しっかり相互に連携・協力しましょう。

第十四条 政治教育

・第一条の目的(平和で民主的な国・社会を作る)を考えて、政治的な教養は教育の中(学校でも社会でも)で身につける必要があります。

・法律上の学校では、特定政党を支持・反対する教育をしてはいけません。

第十五条 宗教教育

・宗教に関しての寛容性、一般的な教養、歴史などは教育の中で身につける必要があります。

・国や自治体が作る学校は、特定宗教の支持・反対や宗教活動をしてはいけません。

第十六条 教育行政

・教育の行政は、国や自治体が協力して、外部からの干渉などに影響されず、公正・適正に行う必要があります。

・国は全国的な教育機会の均等や水準の維持向上に向けて頑張りましょう。

・自治体は地域内の教育を発展させるために頑張りましょう。

・国と自治体は、教育がスムーズかつ継続的に行われるよう財政的な対応をする必要があります。

第十七条 教育振興基本計画

・政府は教育発展に関して基本計画を決めて、国会に報告・公表する必要があります。

・自治体はその計画を参考にして、地域に合わせた教育発展の基本計画を作る必要があります。

第十八条 法令の制定

・この法律に書いてある内容を実現するために、必要な法令が作られていくことになります。




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