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子どものチャレンジ精神を挫く9つのこと

 こんにちは!子どもと共に未来を育む、共育コンサルタントの金澤です。

 よく「私には無理」「どうせできないから」と子どもたちがやる前から諦めてしまうのを目にします。大人から見ても、とりあえずやってみればいいのに・・・と思うことが結構ありませんか? どうしてそんなことが起きてしまうのか、ということについて解説してみます。

チャレンジ精神は元からあるもの

 日本って、チャレンジする人が少ない、と世間的によく言われています。その真偽については、私は研究者ではないのであまり触れませんが、確かに実感としてはそんな印象を受けます。

 でもですね、我々人間は全員、生まれたときからずっとチャレンジを続けてきています。這ってでも前に進もうとする、何かに捕まって立ち上がろうとする、目の前のものを口に入れてみて食べられるか確認する、なかなか言葉にならなくても、気持ちを伝えようとする。そうやってチャレンジをして成長していく生物です。

 だから、チャレンジ精神というのは育むものではなく、最初から持っているものなんです。どうキープしてもらうかが大切なのです

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 でも、私は長年子どもたちを教えていて、まだ中学生なのに、すでにチャレンジを恐れている生徒をたくさん見てきました。なんでそんな臆病なの?と不自然に思うくらいの生徒すらいました。それはもう悲しいほどに。

 真剣にどうしてそんなことになるのか考えてみると、自分も含めて結構根深い課題が見えてきました。子どもに携わる全ての人に見てもらいたい、一緒に考えていきたい課題だと思います。いずれも、大人が子どもにどう接するかというイメージでご覧ください。

・ 失敗を責める

 これはよくないとわかっていながら、大人に余裕がないとついやってしまいます。子どもが一生懸命考えて、いろいろ努力して結果がついてこない時に、「なんだこの結果は」と責めてしまう。責めるというのは、言葉・ニュアンス・態度・雰囲気など様々な形で出てしまうので、言葉だけ気をつけても無駄です(これもいずれ書きますね)。

・ 成功した時だけ褒める

 先ほどのはよくないとわかる一方で、これは結構やってしまうのでは。成功した時だけ褒めることを繰り返していると、子どもは「成功しないとダメなんだ」という発想になります。なので、成功可能性が高くないと(高さのラインは人によって違いますが)あえてチャレンジをしなくなっていきます。

・ 人格を責める

 結果に対して言及するのではなく、人格そのものを責めるのは持ってのほか。でも言ってしまうことがありませんか、「だからお前はダメなんだ」と。このような言葉は、どんなプロセスもどんな結果も無力化してしまう、非常に強烈な言葉です。

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・ プロセスを気にしない

 成功しても失敗しても、子どもはその途中経過でどう頑張ったか、どんなことを考えたかを認めてもらいたいものです。でもそこを無視して、プロセスは関係なく結果こそ大切だ、という価値観を子どもの頃からずっと根付かせてしまうと、「プロセスで頑張っても評価してもらえない」と思わせてしまうでしょう。

・ 失敗の想定ばかりさせる

 事前にどういうイメージを持って取り掛かるか、ということは極めて大切です。ゴールを先にイメージしよう、という呼びかけもすることがあるでしょう。その時、リスクヘッジの名の下に、うまくいかないことばかりを想定させてしまうと、失敗することから頭に浮かぶようになります。

 もちろんそれも大切ですが、まずはうまくいくこと、達成したい理想の像をイメージさせるようにしてから、リスクも併せて考えるようにしたほうがいいでしょう。

・ 否定的なことを繰り返し言う・レッテルを貼る

 一回一回は軽いつもりでも、それが何度も続いていくと、固定観念として考え方が根付きます。私がよく見てきたのは、家で親によく「あなた勉強そんなにできないんだから」とか「これそんなに得意じゃないわよね」という、特別な意識なく発せられていた、否定的な言葉やレッテルでした。

 これを続けていくと、子どもも「私、勉強そんなできないんで」という、本来の実力を反映させていない価値観ができあがってしまいます。

・ 他人と比較して下に評価する

 子どもの時に、他人と比較することはあまり意味をなしません。なぜなら、成熟度合いが大人より一層バラバラだからです。人より早く肉体的成長をする人もいれば、精神面や脳の機能の成熟がまだ十分になっていない子もいて、一人一人バラバラです。

 それなのに、「公園のママ友の子どもはこれができるのにうちの子は・・・」と比較して、できないところに注目してしまうことを繰り返すと「自分はできないんだ」と考えてしまったり、「他人のほうが上だ」と常に考えたりするようになります。

・ 他人を厳しく追及する

 ここから二つは、子どもに直接ではなくても、子どもがこういう状況を目の当たりにしたら、という話です。親や周りの大人が、誰かに非常に厳しく追及している場面を子どもが見たら、どう感じるでしょうか。また、その追及が他人の失敗を元にしているとしたら、「自分も失敗したらこうなる」と想像してしまい、チャレンジしたくなくなってしまうでしょう。

・ 陰口を言う

 最後に、実はこれが一番多いのではないかと思う事象です。大人が、子どもの前で他の人(子ども・大人関わらず)の陰口・悪口を言うことです。これを繰り返していくと、「自分も陰ではこんな嫌なことを言われているかもしれない」と余計な妄想を広げてしまい、それだったら何もやらないほうがいい、と引っ込んでしまうようになります。


 子どもは大人のことを本当によく見ています。子どもにチャレンジ精神を持って、充実した人生を送ってほしいと願うならば、まず大人である我々自身がありようを考えていく必要があると思います。


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