見出し画像

定期テスト後に子どもの心を元気にするコミュニケーション法

 こんにちは!モチベーションを根っこから高める キャリア・アウェイクナーの金澤です。

 前回の「子どものチャレンジ精神を挫く9つのこと」の記事、たくさんの方に読んでいただけたようで、大変嬉しく思います。(シェアしていただいた皆様、ありがとうございました!!)

 やはりタイトルは重要だということで、しばらくの間は、タイトルを工夫して色々試してみようと思います。

 さて、前回は心を挫く話でしたが、今回は、ちょうど学校で定期テストが終わった家庭も多いかと思いますので、テスト後に心を元気にするコミュニケーション法をご紹介しようと思います。

鉄則は「プロセス」「良かったところ」

 まず、定期テストに限らず、子どもに対して働きかけるときの大原則は二つあります。

 一つは、「プロセスに注目すること」。ちょっと考えればわかることですが、定期テストの結果は、ただ単純に勉強の成果だけでは決まりません。範囲内の内容が全て頭に叩き込まれていたとしても、体調、時間配分、ミス、環境など、いろんなことに左右されてしまいます。

 それなのに、どんな理由があったか・どういう状況だったかを無視して、結果を責めたり褒めたりすると、前回お伝えしたようにチャレンジ精神が挫かれて、徐々にモチベーションは下がっていきます。だからこそ、結果ではなく「プロセス」に注目すべきです。

 もう一つは、「良かったところに着目すること」です。大人が子どもを見ていたら、大人の方が経験や視野は当然広いわけですから、アラが色々見えてきてしまいます。もっとこうすれば良かったのに・・・だからこうしないとダメだよって言ったのに・・・と、言いたくなりますよね。

 でも、それで子どものモチベーションが上がるかというと、まず上がらないでしょう。それよりも、子どもの良かったところを「あえて言うなら」のレベルでいいので探していき、その良かったところに真っ先に触れることで、子どものチャレンジ精神を高めていくことが重要です。

どうやって「プロセス」に注目するのか

 では、具体的にプロセスへの着目の仕方をいくつか紹介していきます。学校の定期テストを想定して考えていきましょう。

 プロセスに着目するためには、周りの大人は「日常から、子どものことを観察する」ことに取り組む必要があります。どれくらいの時間勉強しているか、どの科目を頑張っているか、どんなことに興味を持って学習しているか。これは、いつもの生活と比べてどう違うかを見ていかないと、テスト前だけ見るのではわかりません。

 結構ちゃんと勉強していたね、なんて声をかけて、「え、別にいつもと変わんないんだけど」なんてことになったら、結局逆効果です。日常から意識して観察していくことが大切です。

 そうはいっても、観察するなんて時間がない、という人もいるでしょう。目で見る時間がなくても、声をかけて子どもの話を聴くことで、知らなかったいろんな情報を知ることもできます。

 実際に自分の目で、子どもの様子を直接見ることができる時間は、一週間の時間の中でどれくらいでしょうか?せいぜい多くて2時間程度ではないでしょうか(家庭によって結構変わると思います)。

 2時間だとすると、一週間の1/84です。他の83/84の時間、子どもは大人が知らない他の何かをしているわけです。そうしたら、その部分の話を聞いて、情報を増やしておいたほうが、「良いプロセス」が見えてくる確率も高まります。きっと、親も知らない努力や工夫をどこかでやっていますよ。

「美点凝視」で美点を増やしていく

 もう一つのポイントである「良いところに着目する」。美点凝視とも言います。人は当たり前ですが、いろんな側面の力を持っていて、何かに秀でていれば何かに劣っています。これはどんな人間でも間違いなくあります。

 不思議なもので、人間は意識を向けたところに力が特化される特性があります。好きこそものの上手なれとか、アスリートの「ゾーン」とか、テレビを一生懸命しながら仕事をするとミスるとか(私の話です)。

 実はこれ、長所と短所も同じです。短所に目を向けて「私はここができない、苦手だ」という意識を持ち続けると、なかなか改善されず、下手したらどんどんうまくいかなくなっていきます。それによってさらに苦手だという意識が強化され・・・負のサイクルに入ってしまいます。

 逆に、他の人がどうかは気にせずに、「私はこれが割と上手だ、得意かも」という意識を持ち続けると、実際にそれがどんどん上達していったり、強みとして発達していったりします。数学が苦手だった生徒が、戻り学習をして弱点を理解することで「あれ?意外とできるかも?」と思い、メキメキと成績を伸ばしていく構図と同じです。

 周りの大人が、子どもに対して美点凝視をするというのは、まさにこの「長所に意識を向ける」ことを促していく、というわけです。「ここをもっとこうしなきゃダメ」ではなくて、「こっちはすごく良かったよ」と声をかけるわけです。

 そうすると、子どもはその良かったところをもっと頑張るようになり、徐々に自信がついていって、モチベーションが上がっていきます。すると、触れていないところにも努力ができるようになってきて・・・という、正のサイクルが周っていく、ということですね!

一日で一つだけ修正していけばいい

 よし!じゃあプロセスを重視して、美点凝視していこう!なんて考えても、いきなり全てを切り替えられるわけではありません。それはそうですよね、今まで何十年もこびりついた思考回路は簡単に変えられません。ですから、まずは一日に一つだけやってみる、でいいんです。話を一つだけ聴こう、良かったところを一つだけ見つけよう。

 そして、見つけられたら「自分もできた」と自分を認めてあげて欲しいんです。これこそ、自分への美点凝視。こうやってちょっとずつできるようになれば、365日経てばもう違う人格ができあがっているでしょう。変えようと思ったらまず今日の一歩から、ですよ!


講演や研修依頼はこちらから!

ご意見や個人セッション・コンサル希望などはこちらから!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?