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べてるの家のオンラインマガジン「ホップステップだうん!」 Vol.250

目次
・巻頭写真 「子ども当事者研究の報告」 
・続「技法以前」201 向谷地生良「モンゴル訪問記」その2
・伊藤知之の「3年ぶりの浦河港まつり」
・「【ざわり】感触の痕跡のたまり場」
 ことこ・ざわり
・福祉職のための<経営学> 112 向谷地宣明「subject」
・ぱぴぷぺぽ通信 すずきゆうこ 「夏休み総集編スペシャル」

子ども当事者研究の報告

8月10日に夏休み特別企画の子ども当事者研究をオンラインで開催しました。
幼稚園から中学生まで12人の子どもが参加してくれました。中にはバンコクからの参加者もいました。

1. 名前
2. 気分、体調
3. 住んでいるところ
4. 好きなおかし
5. あったら安心するルール
6. 今、困ってること

この6つを最初に子どもたちとわかちあいました。
5のルールでは「言いたくなかったら言わなくていい」「紙に書いて答えてもいい」というルールが決まりました。

6の今、困ってることの中からAちゃんの「話が伝わらないことがある」というテーマで研究することになりました。

Aちゃん以外にも、大人、親、友人に話しが伝わってないと感じることがあって、困ってる子たちがいました。

伝わらないときに子どもたちは通訳(お父さんに伝わってないときはお母さん)をお願いしたり、諦めたり、もっとわかりやすく説明を付け加えたり、それぞれの工夫を教えてくれました。

テーマを出してくれたAちゃんは、伝わってないとき人に合わせてみたけど、自分の意見が言えなくてモヤモヤしていたそうです。

自分の思ってることを言うのと、合わせるのと、使い分けをしたほうがいいことがわったようでした。Aちゃんも通訳者を試してみることになりました。

「言葉のピース」が足りてないことがあったり、逆に「言葉のピース」が山盛りで多すぎて伝わっていないことや、ピースのカタチが違うんじゃないかと話し合いました。

Aちゃんは学校に行くときに、以前は心の部屋から、魔法使いとユニコーンを連れて行っていたけど、2人(1人と1匹?)はもう退職して、最近はお母さんと仲良しの友人2人をポケットにいれて連れていっているそうです。

他にもお守りで透明のアメとグミも持って行っていました。

ポケットの人たちが忘れ物を思い出させてくれることがあるということで「退職した魔法使いを再雇用したい、ぜひ浦河にきてほしい。」と忘れ物専門家の向谷地生良さんから依頼がありました。

もうひとりBちゃんは「前髪の研究」を発表してくれました。親から前髪を切ろうと声かけられると「いやーんさん」がくるということでした。子ども研究仲間より「前髪はかわいいの象徴で自信にもつながるからその気持ちわかるよ。」と声かけがありました。

ふたりとも、引き続き研究を続けてくれるそうで、今後も子ども研究発表が楽しみです!

「子ども・子育て当事者研究ネットワークゆるふわ」のはじめての企画開催でしたが、とても盛り上がった子ども当事者研究でした。


オンライン板書:まや(中学3年生)
文:江連麻紀


続「技法以前」201 向谷地生良

「モンゴル訪問記」その2

ジェンダーに関連した領域の研究をしている研究者に「モンゴルに行ってきた」というと、「実は、私も行きたくて予定を立てている」というのです。
その真意は「モンゴルは、女性が元気で、その背景を調査したい」というものでした。

そう言えば、今回の学術調査で訪問した国立の精神医療センター、人権センターや診療所を併設した区民センターなどの行政機関、さらには地域で活躍する民生委員のような役割を果たす、住民のリーダーは、すべて女性でした。

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