見出し画像

べてるの家のオンラインマガジン「ホップステップだうん!」 Vol.263

・第3回子ども・子育て当事者研究交流集会の報告
・続「技法以前」210 向谷地生良「伴走型支援」
・「特許」から見るヘルスケア(3)一太郎「バイオフィードバック」
・「北のバラバラな日々」(17)笹渕乃梨
・The View from Nowhere - どこでもないところからの眺め - 008 向谷地宣明 「負債論」
・ぱぴぷぺぽ すずきゆうこ「役に立つ幻聴さん」


第3回子ども・子育て当事者研究交流集会の報告

今年も開催しました!オンラインイベントで北海道から九州までの全国各地の子ども、大人が発表しました。子どもたちが作った歌からはじまり、子どもたちの研究発表、毎年大人気の子どもが大人の悩みにこたえるお悩み相談室、どれも盛り上がりました。

私が担当したお悩み相談室のひとつを紹介させていただきます。

大人の相談者から「前の職場で上司から怒られて焦ったりパニックなったことがあって、新しい職場でもそうなるんじゃないかと不安になる」という相談でした。
子どもたちに不安や焦ってるときにしている工夫を聞いてみると、アイディアが19個も集まりました。

19個のアイディアを聞いた相談者から「勇気が出てきました。焦ってますと宣言したり、その場を離れたりしようと思います。職場で泣いたこともあって自分を責めてたけど悪いことしてなかったと思えました。」と言われていました。

子どもたちのアイディアがとっても素晴らしかったので、みなさんも画像のアイディアをご覧ください!

文:江連麻紀 イラスト:すずきゆうこ

今月、渋谷で子育て当事者研究を開催します。どうぞ、お待ちしています!

やってみよう!子育て当事者研究!
3月19日(日)13時〜15時
場所:渋谷ヒカリエ(参加者に詳細をご連絡致します)

募集内容:子育て中の方
募集人数:6名
参加費:2200円

共催:子ども・子育て当事者研究ネットワークゆるふわ、NPO法人Umiのいえ
お申し込み:下記URLにてお申し込みください。
https://ticket.tsuku2.jp/events-detail/10320523230625



3月のメンバーシップ 「nasa LAB」

「note」の「メンバーシップ」の機能を使って、有料会員コミュニティ「nasa LAB(なさラボ)」を運営しています。

「nasa LAB(なさラボ)」とは、「nasa(なさ)」は「なさけなさ」、「LAB(ラボ)」は「研究所」という意味です。

■べてる式の「気分・体調ミーティング」
月に一度コミュニティメンバー向けにべてる式の「気分・体調ミーティング」をオンライン(Zoom)で開催しています
次回開催:3月11日(土)11時〜
ミーティング進行:伊藤知之(浦河べてるの家)、ほか

■家族当事者向けの「家族当事者研究ミーティング
次回開催:3月8日(水)13時~
ミーティング進行:伊藤知之(浦河べてるの家)、ほか

■Webラジオ「つまり、きりがないラジオ」を配信
テーマ曲:ペーソス パーソナリティ:笹渕乃梨

メンバーシップ 「nasa LAB」については下記リンクをご覧ください

https://note.com/bethelnoie/membership


続「技法以前」210 向谷地生良

「伴走型支援」

長い間、生活困窮者支援の現場の中で大切にされてきた「本人・世帯の暮らしの全体を捉え、伴走し寄り添いながら、継続的に関わる」伴走型支援が、さまざまな領域に広がっています。

私も2年ほど前から、縁あって、地域生活支援の現場で実践するスタッフへの研修とフォローアップを目的とした「伴走型支援協会」の活動に関わるようになり、対面での研修をしました。
さらには、ある市役所の福祉関連の職員研修を依頼されて、そのプログラム作りをしています。

その二つの研修にかかわって痛感するのは、現場の疲弊感です。
特に、困難を感じているのが、電波をかけられている、嫌がらせを受けている、盗聴器を仕掛けられている、などの訴えと周囲とのトラブルの例や、自傷行為を繰り返す人たちへの対応です。
一番辛いのは、本人ですが、その周囲に居る人たちの苦労も大なるものがあります。

医療現場は、そのような人の受け入れを拒む例も少なくありません。
最終的には、行政や福祉の現場が抱え込み疲弊する状況が、伝わってきました。それこそ、当事者研究の経験がいま求められていることを実感しました。
いままでは、どちらかと言うと、精神医療の現場に発信されてきた経験が、地域の中で用いられ、活かされる必要があることを実感しています。

ここから先は

14,444字 / 7画像

¥ 150

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?