『夢想』
あのツリーには、
欲望の大きな仕掛けがある
それを人も私も見上げて和むと共に
ヨダレを拭う、涙を拭う
立っていながら夢を見た?
あのツリーはどこか森の中のように
とめどない生気に満ちている
天に向かって星を突き刺す
夢のごとく、狂気に満ちて
歳を重ねて、
星を見る度に宿命の位置を確かめる
輝きは大体がこの身を逸れていく
気づかないのは、この私ばかりに
気づかないことは大切なことばかりに
あのツリーの天辺は尖った氷を型どる
私は夢よりも現実に逃避する
欲望は夢よりも確かに存在する
此処に、この時間と息づいている
とあるシアタームービーの物語は、
幻を集めた景色を見せてくれた
今までが嘘だったかのような
最早、静けさは濃霧の中にあった
私は髪に滴る水を弾いて
作詞作曲をしてみる
胸いっぱいに、湿気を吸い込んで
人も私も交差点に立っていた
夢見がちな人間、
嘘もすべては夢が創る
いや、此処がすべてだった
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