小説「冬の蜃気楼」の読後感【読書日記】
『冬の蜃気楼』 山田太一著
同世代の著者の小説も読みますが、読み切れないことが多々あります。
人物の描かれ方が希薄に思えて、登場人物の造型に魅力が感じられないことがあります。だから最後まで読めないことが多いです。
先日、図書館に入って書架を眺めていると、目に留まったのが「冬の蜃気楼」でした。山田太一氏の著作です。装丁が何とも言えず、素敵です。
以前「飛ぶ夢をしばらく見ない」という題名の小説を読んだことがあるですが、ロマンチックな着想に驚いて、内容を今でもよく憶えています。
で、「冬の蜃気楼」という題名の小説を借りました。1958年、東京郊外の映画の撮影所を舞台にした作品です。
著者の体験が色濃く滲んだような作品に思えました。もちろん小説ですから実と虚が入り混じっているわけですが、人物の造形に深みがあり読みやすいです。好きな小説の一冊になりました。
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