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【実話】俺はバイト先の女子大生にブロックされている④

彼女が電車でバイト先まで通っていたので俺は二人で一緒に帰って手を繋ぐつもりだった。バイト中の二人きりになれる時間に「今日一緒に帰ろ』と言うつもりだった。言えなかった。

そしてバイトが終わる時間になりみんなが散り散りに帰っていく。駅の近くまで来て誰かと話してる彼女が「バイバイ」と言ったタイミングを見計らって「電車?一緒に帰ろうや」と白々しく言おうとした時、彼女が走り出した。あと1分で電車が出ると言い走り出した。

なんか電車で帰ってるおばちゃんと一緒の電車に乗りたいらしい。俺は一瞬俺と帰りたくないからこそのこのダッシュかと思ったが彼女の態度からそれは考えられなくい。

毎日バイト前に勤務開始の10分前にきっちりタイムカードをきってるあたりめちゃくちゃ真面目だと言うことは知っていた。だからこれは「真面目さゆえのダッシュ」。そう俺は信じて走る彼女の後をついていく。

その結果彼女は隣の駅で降り、俺はおばちゃんと一緒に帰った。最低限の当たり障りない世間話を交わしながら。
なぜ。なぜなんだ。なぜ俺は今おばちゃんと二人で帰ってるんだ。
思い描いてたのと違う!なんなら俺は一人で帰りたくて毎日わざとおばちゃんと帰るのを避けていた。だからなんか気まずい!!

そしてここでおばちゃんと帰ったことにより今後このおばちゃんとバイト被る時一緒に帰らなあかんやん!車内でおばちゃんに「今日は急行で帰らなくていいの?」と言われた。そもそも俺は毎日急行で帰ってない!!この時間のこの電車に乗って帰ってます、おばちゃん。


そこから俺とおばちゃんは毎日一緒に帰ることになった。彼女は週2.3回しかバイトに入っていない。対して俺とおばちゃんは週5で入ってる。俺は毎日電車でおばちゃんと当たり障りのない最低限の会話を続ける。そしておばちゃんのメガネの奥のつぶらな瞳を見ながらこう思う。「これでいい。これで間違ってなかったんだ。」

僕と彼女は連絡を取り続けていた。返信はそっけなお。毎回「了解です!」のみ。ご飯の誘いは毎回断られる。

そしてバイトを始めてから3ヶ月が経った頃。つまり俺と彼女が出会ってから3ヶ月。
「ご飯の話一旦なしにしてもらえませんか?」とLINEが来た。

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