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スペシャルウィーク本をひっぱりだし、どんな馬がダービー馬に相応しいのか考えた。

さぁ、ダービーウィークもいよいよ水曜日まできました。

自分の中でダービー馬といえば?と思い出そうとすると、1998年の勝ち馬であるスペシャルウィークが真っ先に思い浮かびます。

以前、以下の記事でも書いたのですが、ダービーを勝ち、その後も王道を歩み続けた馬として、「スペシャルウィークはえらい馬」という印象が強いです。

ダービーを勝つだけでも大変なことなのに、その後も同世代、年上・年下世代と闘い続け、実績を積み重ねたスペシャルウィークは、えらいよな〜(とつぜん競馬評論家・井崎脩五郎さん風 笑)と思うのです。


また少し古い本ですが、こういう本も出ています。

2000年発行

タイトルがまるでハウツーものですが、内容は、スペシャルウィークの関係者がどのようにスペシャルウィークを生産し、育成し、共に戦ったか、また、引退後の種牡馬としての期待について、章ごとにまとめられています。

第一章がスペシャルウィークとのコンビでダービーに初勝利した武豊騎手の章、続いて、白井寿昭調教師、生産牧場である日高大洋牧場の経営者一族である小野田一族育成担当者調教助手・・と、スペシャルウィークに関わった様々な人々の章が続きます。

トリビア的な、白井調教師が、ダービー前の記者会見で湯沸かし器のガス漏れに気づき、ガス爆発を未然に防いだ話や、社台代表の吉田照哉氏が、1999年の年度代表馬選定について、日本でジャパンカップを勝ったスペシャルウィークの方が、エルコンドルパサーより上ではないかと疑問を呈していた話など、面白いです。


そして、”どんな馬がダービー馬に相応しいのか?”ということを考えながら読んでいたのですが、武豊騎手の章で、デビュー前にスペシャルウィークの才能に気づき、デビュー戦から普通は2戦目以降に教え込むような課題を与えていった、というエピソードが印象的です。

その部分を少し引用します。

 豊はスペシャルウィークにその一段上の要求をした。
 スピードのある馬なのに、あえてゲートをふわっと出て、出たなりのスピードで道中を進んだ。それも、阪神芝1600m向きではなく、東京芝2400m向きのラップを踏んで。そして、周囲に他馬を置き、威圧的な蹄音を聞かせ、前の馬のはね上げる泥や芝カスをかぶらせた。
 普通なら2〜3戦目で与える課題を、初戦で与えたのだ。
 スペシャルウィークは、鞍上の課した”飛び級”の試験に楽々合格した。
32pより引用


武豊騎手は、1996年のダービーで一番人気のダンスインザダークに乗り、フサイチコンコルドの2着に敗れています。
この本では、その敗戦にも触れ、武豊騎手がダービーの前のプリンシパルステークスでの乗り方について、もっと違う乗り方ができたのでは、そうすればダービーの結果も違ったのでは、と考えていた、という話が出てきます。
少し引用すると、、

 ダービーの前走のプリンシパルステークスでは、他を寄せつけぬ圧勝劇を見せた。が、それはダービーより1ハロン短い東京芝2200m、しかも本番のような厳しいペースにならない舞台で勝つ乗り方だった。
 ーーあのときも、東京芝2400mを勝つためのラップを刻み、東京芝2400mならではのペースの上げ方、動き方をすべきだったのではないか。
31pより引用


この、ダンスインザダークでの経験が、スペシャルウィークでダービーを勝つためのデビュー戦からの仕込みにつながったのだと思います。


やはり、ダービーを勝つには、馬自身が類まれな能力を持っていることは前提として、どのような経験を持つ人が関わり共に戦っているのか、という部分が最後に大きくものをいうのだと思います。

・・ということを頭に入れ、今年のダービーについて引き続き考えていきます。。


(おまけ)
トップ画像は、スペシャルウィークが勝ったダービー直前のNumberと、レーシングプログラムです。
Numberの方から何枚か懐かしい写真を。。

1998年クラシック”三強”の一角、キングヘイロー。
今年一番人気濃厚のイクイノックスの母の父、
鞍上は今年ダービー三連覇の偉業に挑む福永祐一。


三強の一角、セイウンスカイと、横山典弘騎手。
横山典騎手は今年もダービーに騎乗しますね。


そして若き武豊騎手。
この時点ではダービー未勝利。
しかし時は流れ、今年のダービーで、前人未到のV6を狙う。

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