ビジネスモデルはスモールステップで変えていく…MASHING UP
Trunk Hotelで開催された多様性を考えるイベントMashing Upに行ってきました。
テーマは「Reshape the Perception」(視点を変える)。
宇宙への移住に向けての研究をしている理論物理学者アドリアーナ・マレさんのトークほか、興味深いセッションが数多くあったのだけど、その中でも印象的だったSDGsとビジネスの話を少し。
「服作りすぎ」ってわかってるけど誰も言えない
アダストリアというアパレル企業でシェアリングエコノミー「KIDS ROBE」のサービスをしている高橋氏の話。
なぜこのサービスを始めたの?という流れの中で印象に残ったのが、「服作りすぎなんじゃないか?って、アパレルやってる人はみんな薄々思ってるけど、誰も言えなかった」という言葉。
思ってるけど、誰も言えなかった。
なぜなら、企業は量を作りすぎているビジネスモデルに依存しているから。
何かを変えようとするってすごく難しい。特に大きな企業では。
それが、最近では「変えていこう」という声が上がり始めているのだとか。
高橋氏が携わっている事業は古着シェアサービスなので、本業である洋服を作って売るビジネスと相反するのでは?と思うけど、会社として「服が売れなきゃいけない」なんてことはなくて、それよりも大事なのは「顧客との接点を増やすこと」なのだそう。
【服を売る】→【服が余る】→【服を捨てる】
なんていう循環はもう終わりにしなければ、持続可能なサービスなんて無理だ、と。
そして、そういう持続可能性を求める声が株主や顧客からも上がってきていることが少しずつ変わっていく後押しになっているのだそうです。
自社の売上目線だけで考えていると見えてこないけど、社会全体を俯瞰して見ると、服作ってバンバン売って儲けてなんぼ、っていうのはもうやめようよって考える企業も確実に出てきている。
SDGs=ビジネスチャンス?
他方、SDGsは単なる「ビジネスチャンス」くらいにしか考えていない企業も多いそう。
でも、旧来のビジネスモデルはそもそも持続可能性とは真逆の方向性に向いているわけで、それに何かをプラスしたくらいでは何も変わらない。
SDGsを謳うからには、根本的にビジネスモデルを壊す必要がある。
ビジネスチャンスじゃなくて、乗り越えないと生き残れない。
それくらい切迫感あるものとしてSDGsがある。(このあたりはモデレータであるプラン・インターナショナルジャパン理事の大崎麻子さんがMDGsとの違いとして説明してくれたのでわかりやすかった。)
そうは言ってもね…を解決する現実的な方法とは?
で、前述の高橋氏の話でいいなと思ったのが、これ。
「そうは言っても、今まで作り上げてきた流通網とかビジネスモデルとか、全部一気に変えろというのは無理な話なんですよね。」
うん、これ仕事してる人たちのしごく真っ当な感覚だと思う。
理想を声高に叫んでも、現実にはついてこれない企業がほとんどなんじゃ?
「だからこそ大事なのは、β版で小さく始めて早く回すということ。」
そこで顧客の支持を得られれば、「ね?反応いいでしょ?」という説得材料になる。
それから少しずつ主流にしていくというステップを踏むのだそうです。
ちなみにこのトークセッションは、クラウドファンディングGood Morning の取締役の酒向萌実さんとのトークで、その”スモールステップフェーズ”にクラウドファンディングは最適なのだそう。
なぜなら「いいね」と言ってくれる(=応援してくれる)人の数が可視化されるから。
既存モデルに凝り固まったおじさんたちには、目に見えないものは信じてもらえない。
だからこそ、SNSなどを使って顧客の良い反応を経営層に見せられるというのはすごく大きいのだそうです。
1万のLIKEよりも…
そして、こういうスモールスタートで反応してくれるのはコアなファン層。
その会社をすごく愛してくれていたり関心を持ってくれていたりする人たちの「LOVE」だからこそ、大きな意味があり、市場の反応を読む貴重な材料になるのですね。
1万のLIKEよりも100のLOVE
ほんと、そうだよね。
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